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アメリカ大学院留学の投資対効果(4ページ目)

アメリカの大学院に合格した読者が、約1,000万円弱かかる学費生活費を考えるとふんぎりがつかない、と悩む。留学の投資対効果を考える。

西島 美保

執筆者:西島 美保

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私費留学以外の方法

国際的な人事コンサルタントになるために、修士号は強い味方にはなるが、必ずしも必要というわけではない。実際、人事のプロフェッショナルとして活躍する人たちの中には、学位を武器にしてきた人もいれば、豊富な実務経験を強みにする人もいる。

ただ、この相談者の「留学したい」と言う気持ちをやはり大切にしたい。留学するには多額のお金もかかるし、準備も大変だが、やはりタイミングが大切だと思う。現時点で次の3つが整うのであれば、留学にチャレンジすべきだ。

・学費と生活費の工面(最低1年分)
・周囲の協力
・志望校合格

全額私費留学は難しい、ということであれば、下記のようなやり方でキャリアを積みつつ、少ない自己投資額で人事管理の学位を目指すことも出来る。

まず日本国内で国際コンサルティングファーム、または海外留学制度のある会社に転職

チャンス1.海外赴任の機会を経て、赴任してから現地で進学
渡航費、滞在費などは会社持ち。現地で落ち着いてからじっくり学校探しが出来る。しかし出張のため授業に出られなかったり、帰任などで修了までいられない場合もある。

チャンス2.海外留学制度に応募
会社が学費を払ってくれたり、留学中も給与が支給されるなど、費用的なメリットは大きい。ただし帰国後数年間は、同じ会社で働き続けなければならないなどの縛りを設けている会社が多く、違反すると学費返還を要求されるケースがある。
【参考記事】
・留学費用を返せ!返還義務法制化

チャンス3.遠隔教育(Distance Learning)での取得
生活環境を変えずに海外の学位が取得でき、学費も割安。日々の業務でキャリアを積みながら学位取得が出来るが、実際の留学に比べると言語修得面や海外生活経験という意味では魅力が半減か?

上記1,2は簡単ではない。企業内で海外赴任対象者や教育投資対象として選ばれる能力・実力が必要だからだ。上記3は比較的簡単だが、「留学したい」という目的からは少し外れるかもしれない。

最後に、留学経験者として一言。私は20代後半に、ROIという言葉も知らず、ただ「留学したい」という気持ちに引っ張られるように留学した。多額の費用がかかったが、20代で留学して本当に良かった、と思う反面、やはりお金のことをもう少し勉強しておけば良かったと後悔した。大学院留学に自己投資するからには、お金の管理や貯蓄方法、投資とそのリターンについて、しっかり考えておくことも重要である。

次回は大学院留学の適齢期について考える。

【関連記事】
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