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学位授与機構で学位取得 44歳大学中退の場合(2ページ目)

税理士として地元岡山で活躍し、中小企業の戦略マップ作成を提唱する澤根さん。学歴は大学中退だったが、44歳の時に大学評価・学位授与機構を利用して学士取得。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド

なぜ税理士を目指したのですか


私の場合大学中退で、他に行くところがなかったし、他に就職してもいじめられそうだったので(笑)、父が経営する税理士事務所で働き始めました。
大学中退後、税理士を目指して勉強を始め、それから3年後に税理士試験に合格しました。

大学時代の取得単位を考慮すると、「文学(哲学)」の学位しか申請できないと分かったそうですが…。


大学時代の専攻は哲学でしたが、しかし大学中退後、哲学的な生活とは程遠い生活を長年おくっていました。とても、レポートなんか書ける気がせず、しかし、既に取得した単位だけで学位を取りたかったので、「哲学で取ろう、哲学で取るしかない!」と決めました。

学位授与申請のためには、学修成果(レポート)提出が必須ですが、どのように準備したのですか?


まず、哲学的な頭を作るために、やさしい哲学の本を読み始めました。10冊以上の哲学関係の本と、5冊くらいのレポート、論文の書き方の本を読みました。
レポートのテーマをプラトンのメノンで行こうと決めたのがレポート提出締切りの3ヶ月前くらいでした。

ちなみに米国税理士試験を控えていたため、レポートはその試験が終った翌日から書き始め、なんとか1週間程度で書き終えました。もちろん実際に書き始める前にレポート作成のための読書、構想などはすすめていました。
米国税理士試験の受験とからんでいたため、この執筆はとても大変でした。 

学位授与申請では、ご自分が書いた学修成果に関する論述試験がありますが、どんな問題でしたか?


はい、2問出題されました。

  1. 私のレポート内容について
  2. プラトンの概念について

このうち、2.プラトンの概念については、私のレポート「メノン」の範囲内とは言えない問題でしたが、このくらいは知らないといけないのかな、とも思いました。
ちょっと絶望しましたが、なんとか書きました。


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