「結婚」という1つのボタンを押したら、他の3つの全てのボタンが点滅するのではない。 |
4【セックス - 愛】:全ての性的発情が、愛と関係あるわけではありません。愛を感じていなくても、性的魅力のある人に欲情することは、自然なこととして多々あります。このことは、あなたの恋愛は、発情の勘違い?にも詳しく書きました。
5【セックス - 生殖】:生殖は、セックスの目的の1つに過ぎません。むしろ、他の生物と違い、人間にとってセックスは、肉体的な快楽の要素が大きいと言えます。子作りのためだけにセックスが存在するならば、マスターベーションや避妊、中絶は必要ないはずです。SMプレイや同性愛も存在しないはずです。閉経した後も、女性はセックスを欲するように、生殖能力とは別に、性欲は存在します。
6【愛 - 生殖】:恋愛は生殖のためでありません。愛を求めても、子どもを望まない人や、子どもがいなくても、愛し合っているカップルはたくさんいます。また、特定のパートナーの存在の有無に関係なく、一人親としてでも、子どもが欲しいと思う人もいます。
このように、それぞれの関係を厳密に見ていくと、必ずしも一致しないということが分かります。これらを一人に求めることがもともと無理であるとは言わないまでも、難しいのが現実です。たとえ、一時的には一致しても、永続するとは限りません。一致させる難しさを認識しなければ、事前の対策も心構えも誤ってしまうことになります。
現実に、多くの人が、この4つの要素が結婚という制度で、セットであると信じられています。「結婚」という1つのボタンを押したら、他の3つの全てのボタンが点滅するものと考えてしまうのです。つまり、結婚したら、自動的に、残りのセックス、恋愛、生殖の全てが解決されると思ってしまうことにもなります。また、結婚したのだから、残りの3つ全てがそろわないと、自分か相手かに問題があると考え、不完全な夫婦ではないか、と疑問に感じることもあるでしょう。