部屋探し・家賃/賃貸物件の情報収集術

賃貸の「管理会社」とは?「仲介会社」との違い

賃貸に関係した不動産会社は、どれも同じというわけではなく「管理会社」とか「仲介会社」などと呼ばれており、主に行う業務がちょっと違います。管理会社とは、そして仲介会社との違いはどこにあるのでしょうか?不動産会社選びの目を養ってみましょう。

加藤 哲哉

執筆者:加藤 哲哉

賃貸・部屋探しガイド

賃貸不動産会社は「管理」と「仲介」の2業務を兼務している

賃貸の管理会社とは?仲介会社との違い

賃貸の管理会社とは?仲介会社との違い


賃貸不動産会社ってどんな業務があると思いますか?

「入居者募集をする」
「物件の案内をしてくれる」
「契約書を交わす」
「入居中にトラブルがあったら、対応してくれる」
「ときどき、掃除したり電球が切れたら交換してくれる」


賃貸会社が行う業務はかなり多岐に渡ります。これを大きく分けると「仲介業務」と「管理業務」に分けられます。賃貸不動産会社といえば、両方の業務を行う会社が多いですが、中にはどちらかの業務を得意とする(あるいは専門で行う)場合もあります。それぞれの業務の特徴をあげてみました。
   

「仲介会社」とは?

賃貸の仲介会社とは

仲介をメインに行う会社は、借主と貸主のマッチングをする。そこに仲介手数料(これが売上)が発生する仕組みだ


「仲介」とは、大家さんから依頼を受けた賃貸物件の入居者を広く募集し、さらに入居者を決定して賃貸借契約を結ぶまでの業務のこと。家を貸したいと希望する人が大家さんになりますので、賃貸経営を業としていくつも賃貸物件を所有している大家さんもいれば、転勤の間だけ自宅を貸したい、という1部屋のみの大家さんもいますし、大手ディベロッパーや建設会社が開発した土地に建てたマンション・アパートを関連会社が仲介する場合もあります。いずれにせよ、空室の入居者を募集して紹介し、契約するという点では同じです。

仲介会社は主に「仲介手数料」で収入を得ています。

不動産会社が受け取れる賃貸の仲介料は、1件の物件に対し、家賃の1カ月分が上限。家賃5万円の物件なら、仲介手数料は5万円、家賃50万円の物件なら手数料も50万円。1件は1件なので、どんなに家賃の安い物件でも高い物件でも、1件の契約に対して得られる収入は家賃1カ月分が上限です。

仲介をメインに行う賃貸会社は、いかに数多くの物件を入居者と契約できたかによって、その月の売上が変わってきますので、賃貸オンシーズンといわれる12月~3月は収入がぐんと上がりますが、余り引っ越しをしない時期(賃貸オフシーズン)になると、仲介手数料による収入は減ってしまうことになります。
>>>仲介手数料の記事はこちら
 

「管理会社」とは?

大家さんの大切な資産を安心して任せられる管理会社を探したい

大家さんの大切な資産を安心して任せられる管理会社を探したい


一方、賃貸管理会社とは、入居者の決まった賃貸物件を管理・維持していくのが主な業務。家賃集金や入居者からのクレーム対応、物件のメンテナンスなどをしますが、大家さんとどのような業務形態を結んでいるのかによって、その内容は変わってきます。


大家さん自身が自分の物件を管理・維持する場合もあれば、すべてを管理会社にお任せしたいというケースもありますが、大家さんと「管理業務委託契約」を結んでおり、その業務内容によって管理委託料は異なります。賃貸管理会社は、この管理委託料が主な収入源となるわけです。

>>>大家さんと管理会社の詳しい記事はこちら

このように、仲介会社と管理会社では、それぞれの業務が異なり、その違いは会社の体質にも少なからず影響してきます。
 

管理会社と仲介会社、どこが違う?


仲介会社と管理会社では、微妙に立場が異なります。それを比較してみました。

◎メインとなる売上は?
同じ賃貸不動産会社でも、収入の得方が異なる

同じ賃貸不動産会社でも、収入の得方が異なる


・仲介会社・・・主に物件を紹介したときの仲介手数料。借主と貸主両方からあわせて家賃の1カ月分を上限とする。

・管理会社・・・主に管理する物件のオーナーからの管理手数料。管理内容によって、手数料の金額は異なる。管理会社で仲介もしてもらった場合、自社の管理物件だと仲介手数料をなしにしてくれるケースもある。


◎紹介してくれる物件は?

・仲介会社・・・賃貸市場に出回るすべての空室が仲介の対象。賃貸市場には自社で管理している物件でも、仲介のみを他の仲介会社に依頼している物件の情報も多く出回っている(仲介手数料の収入は得られないが、オーナーから預かっている物件の空室を少しでも早く埋めたいため)。こういった物件情報をキャッチし、入居者の希望条件にあう物件を早く探してくれる。

・管理会社・・・主に、自社で管理している物件が仲介の対象になる。管理戸数の多い会社なら、自分の条件にあう物件も探しやすい。逆に、自社の管理物件を他社で仲介してもらうこともある。ただし、管理物件以外の物件は仲介していないこともあり、紹介してもらえる物件数は仲介会社より少ない。


◎紹介する物件に対しての知識は?

・仲介会社・・・他社で管理している物件を仲介することになるため、タイムリーに正確な情報をつかむことは難しい。仲介するときは、管理会社に現況を問い合わせてからになる。

・管理会社・・・自社で管理している物件のため、オーナーのことも物件のことも熟知している。場合によっては、オーナーに直接値下げ交渉してくれることも。


◎入居中のトラブル対応は?

・仲介会社・・・基本的に仲介するのみの業務なので、入居後のことは管理しない。管理のみ別会社にしている場合や、オーナーがトラブル対応する場合もある。いずれにせよ、入居後何かあった場合の問い合わせ先を確認しておこう。

・管理会社・・・入居中の対応はすべて管理会社が行ってくれる。室内設備の故障や隣人とのトラブル、また収入減による家賃支払いが困難になった場合にも相談にのってくれたり、と入居中のすべてのことに対応してくれる
 

賃貸不動産入居者は知っておくと入居後も安心

部屋を借りる時に「仲介会社」か「管理会社」なのかは、入居者には直接関係ありません。でも、どんな体制の不動産会社なのか、知っておくと契約から入居後までの不動産会社の応対を誰がどのようにしてくれるのか、はっきりと分かるので安心です。

「入居後のトラブル対応のとき、契約してもらった不動産会社に電話したけれど、ちっとも対応してもらえず時間がかかった」とか、「希望に合う条件の部屋をなかなか探してくれなかった」といった不満も、これで解消できますよ。

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