今回はそんな小学校事情を、まずは大阪府下から紹介します。小学校入学前のお子さまがいらっしゃる方は目先の話題、お子さまのいない方も将来のためという事でお読み下さいませ。
摂津市は1学級30人未満
公立小学校といえども行政毎・学校毎に差がある。写真の小学校大阪市内の公立小学校だが南側の一部ガラス張りの変わった外観 |
現状はどのような感じかと大阪府の統計情報で公開されているデータで調べてみると、1学級あたりの児童数は全学年府下平均で31.4人。平均数字で見るには割合に良い数字です(「少なければ良い」という前提での話ですが)。行政区別にはバラつきがあり、最も少ないのは千早赤坂村の18.3人、続いて能勢町の21.7人。町村部以外では摂津市29.8人、池田市・阪南市30.3人、大阪市30.6人あたりが少数行政。多い行政はというとトップが泉大津市の33.9人。以下町村部を除くと寝屋川市・吹田市32.6人、藤井寺市32.2人といった感じ。これらはあくまで平均数字なので学年や小学校毎の差は見えませんが、おおまかな行政毎の傾向はわかります。
差別化されていく公立小学校
公立小学校でもカリキュラムに差がある。特区指定の行政も複数存在 |
「教育のまち池田」特区~池田市
そのものズバリなネーミングですね。名称からは具体的な内容が見えにくいですが「英語活動」と「科学・情報の時間」という新しい教科を設けているのが特徴です。概要はこちら。
小中一貫英語教育特区~枚方市
小学校5、6年の授業に「英語科」を新設。中学校1年生の教科書を用いて授業を行います。
「学びのまち富田林」特区~富田林市
「未来を拓く人材育成」ということで英語教育の充実が掲げられていますが、目立つのは「小・中一貫の英語教育」ではなく、幼稚園も含め「幼・小・中一貫の英語教育」としている点。一足早い英語教育です。
小中学校英語教育特区~寝屋川市
「ネイティブスピーカーの英語指導助手(ALT)の配置」は他の特区でもありますが、「民間人ALTの配置」や「近隣の外国語大学等の連携によるインターンシップの受け入れ」や「ALTによる親子英会話教室」など英語教育てんこ盛りです。
「生きる学力育成」小中一貫教育特区~柏原市
「生きる学力」を9年間一貫して育成することがコンセプト。「英語コミュニケーション科」も設置されます。中学校教師による教科担任制を5年生から段階的に導入する「5・4制」も実施されます
「わがまちが誇れる学校づくり」特区~門真市
目玉は「ことばの時間」の創設。「作文」「描写・叙述」等のスキルアップを図るため3年生から設けられます。門真市オリジナルワークブックなるものも作成とのこと。
きめこまやかな教育特区~箕面市
項目を見ると「スクールカウンセラー配置」「大学生をサポーターとして派遣」「外国人英語指導助手配置」といった感じで内容よりも「人の配置」が前面にでてました。これはあくまで「手段」の話なので今後の進捗が注目です。また、特区の内容ではありませんが小中一貫校が止々呂美(とどろみ)にこの春開校します。
英語教育特区~島本町
幼稚園から中学校卒業までの11年間で継続して英語教育を行う、とのこと。英語教育特区は複数ありますが、「平成22年度以降は、児童英検「SILVER」及び「GOLD」程度の実力をつけること目指す」(「構造改革特別区域計画」より)と具体的な目標を掲げている点で筆者の評価は高いです。
※いずれの特区の内容も、すべての小学校で行われるとは限りません。当初は「モデル校」「研究校」など称して一部の小学校から開始される場合が多いので、詳細は各行政にお問い合わせください。
では引き続きまして次ページでは、公立校以外に目を向けてみます。