内気が社会不安障害となる時
内気な性格と社会不安障害を区別する際には、以下の事が重要です。社会不安障害は多くの場合、思春期に始まります。異性を意識するようになると、他人から自分はどう思われているか気になりやすくなりますが、病気の発症には、本人の性格や家庭環境も関与しています。性格に強迫的な傾向があり、他人にはベストの自分を見せたいという意識が強い人は、人の評価に敏感になり過ぎる場合があります。また、厳格な家庭で、いつも子供が叱られていたりすると、子供は自分に自信が持てず、劣等感を持ちやすくなり、他人の前で不安を覚えやすくなります。
社会不安障害では多くの場合、自己に対する認知に問題が生じています。自分に自信を失っていて、自己を過小評価しがちです。認知行動療法は、こうした認知の歪みを矯正し、不安の生じる社会的状況において、自然に振舞えるように手助けします。
ところで、社会不安障害は稀な心の病気であると欧米では以前、考えられていて、「対人恐怖症」は日本人特有のものであり、他人の目を気にしやすい日本文化に依存する心の病気とされていました。しかし、近年、社会不安障害は決して、稀な病気ではないことが分かり、アメリカでも、多く見積もれば10人に1人位相当するそうです。
日本に比べると、他人に合わせるよりも、自分の個性を出して堂々と自己主張することが望まれる欧米社会。人前であがってしまう人は少ないとイメージされるようなので、欧米人も日本人と同じように、人前で緊張しやすい、シャイな人たちがいるというのはちょっと、意外かもしれません。
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