防衛機制とは?
私達はショッキングな出来事が起こると、無意識に現実認識を変化させて心の動揺を抑えます
私達の日々の暮らしの中では、辛い、ショッキングな事件が思いがけなくやって来る事があると思います。不安が心の中から湧き上がり、心が大きく動揺してしまった時は、しばしば心の病気のきっかけになりますが、実は、私達は知らず知らずのうちに心の危機を回避しています。

心理学の用語で、防衛機制というメカニズムが心の中で働くのですが、現実をそのまま、ありのままに受け入れてしまうと、心が激しく動揺してしまうような時、私達は無意識の内に、現実を多少、歪めて認識し、心を安定させようとします。

今回は心の危機を回避させ、心の病気から私達を守る上で重要な役目を持つ、防衛機制という心のメカニズムについてお話したいと思います。


もしもショッキングな事が起きたら

悲しく辛い事が起こった時、私達の心はどのように反応するのでしょう? 例として、自分の彼が知らない女性と通りでキスしているのを目撃したとします。こうした事は起きるべきではありませんが、以下に幾つか反応の例を挙げてみます。

  • 頭が真っ白になり、何も考えられなくなる
  • 家に帰って、壁を蹴っ飛ばす
  • 冷静に何が起こったか解釈してみる
  • 部屋の片隅で毛布に包まりながら泣きじゃくり、そのまま寝てしまう
  • 怒りのエネルギーを仕事にぶつける
  • わざと良い事が起きたように明るく振舞う
  • 彼はどうせ最低男だから、別れるいい機会と自分を納得させる
  • その時の事を思い出さなくなる
こうした心の反応は実は、辛い出来事によるショックから心を守る為に起こるのです。次に、それぞれの心の防衛のメカニズムを解説します。

    心が取った防衛機制

    それぞれの心の反応に対して、心が取った防衛機制を解説します。
  • 頭が真っ白になり、何も考えられなくなる
    否認と呼ばれる防衛機制が働いています。何事も起きた事を認めさえしなければ、起きた事にはなりませんので、心がショックを受ける必要もなくなります
  • 家に帰って、壁を蹴っ飛ばす
    置き換えという防衛機制で、いわゆる、八つ当たりです。本来なら、自分を裏切った彼を蹴飛ばしたいところですが、やっぱり、暴力行為はダメですので、怒りの矛先として、壁を選び、怒りの衝動を発散させます
  • 冷静に何が起こったか解釈してみる
    知性化と呼ばれる防衛機制です。感情を切り離して、論理的に起きた事を分析することによって、心を安定させます
  • 部屋の片隅で毛布に包まりながら泣きじゃくり、そのまま寝てしまう
    退行と呼ばれる防衛機制で、幼い頃の自分に戻ってしまい、子供っぽくなってしまいます。急に話し方やしぐさが幼くなってしまった人を見かけた事はないですか? そういう人は退行することによって、何か辛い事から心を守っている可能性があります
  • 怒りのエネルギーを仕事にぶつける
    昇華と呼ばれる防衛機制です。怒りのエネルギーは、社会的に立派な事を成し遂げる原動力になる事が少なくありません。最低男への怒りなどは昇華させて、有意義な事をすべきでしょう
  • わざと良い事が起きたように明るく振舞う
    本来の気持ちと正反対の行動を取る事を反動形成と言います。本来は嘆き悲しみたくても、それはかえって自分を追い詰めてしまうので、正反対の行動を取り、心を安定させます
  • 彼はどうせ最低男だから、別れるいい機会と自分を納得させる
    きっとその通りでしょう。合理的に自分を納得させる事によって、心を安定させる、合理化と呼ばれる防衛機制が働いています
  • その時の事を思い出さなくなる
    抑圧と呼ばれる防衛機制です。誰でも嫌な事は思い出したくない訳で、その記憶を無意識の内に留めてしまい、意識に昇ってこないようにしている状態です
この例では彼女はとんだ災難でしたが、彼の方も何か理屈をつけて、例えば、「結婚前だから多少は大目に見てもらえる」といったように、自分の行いを合理化させて心の動揺を抑えているかもしれません。でも、適切でない防衛は心の病気につながりやすくなります。とにかく、辛い事が起きた時は上に挙げたような防衛機制を用いて上手に心を守りましょう!
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