勉強は大きなストレス
本を読む時に目がかすんだり、頭皮の下に何かが這うような体感があったりといった、特徴的な症状が、ナイジェリアなど西アフリカの学生によく見られるので、脳神経衰弱症はその地域特有の社会、文化の影響を受けた心の病気と考えられ、文化依存症候群の一つになっています。西洋化の影響を受けた教育システムは、西アフリカの国々の伝統的な子供の教育と大きく異なっていて、勉強は子供にとって大きなストレスになっているのが、脳神経衰弱症の原因であると言われています。しかし、勉強で疲れて、心身に不調が生じるのは、もちろん、西アフリカの学生に限ったことではありません。日本でも勉強、特に、受験勉強は大変なストレスです。心身に不調が現れる背景には、うつ病、不安障害といった心の病気が隠されていることがしばしばあります。西アフリカの学生に見られる脳神経衰弱症に対しても、多くの場合、うつ病、不安障害といった診断が付くと思われます。
一般に、勉強に疲れて、心身が不調になった時、治療が必要がどうかは、普段通りの生活が送れるているかどうかが重要なポイントです。治療としては、気分の落ち込み、不眠といった症状を薬物療法によって改善し、また、心身の不調を引き起こしている、心の葛藤がどのようなものかを心理療法によって理解していきます。
時には、脳が疲れすぎるほど、勉強しなくてはならない時があるかもしれません。人生には試練が付きものということなのでしょうが、「脳が疲れているので、明日の試験は免除して下さい」と言ってみても…。まあ、ダメでしょうね。
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