花粉症の主な合併症とは
花粉症の症状が長引く場合、他の病気を疑ってみましょう
花粉症に併発しやすい3つの代表的な合併症をご紹介します。各病気について、さらに詳しく知りたい場合には、文中のリンク記事にお進み下さい。
■副鼻腔炎
花粉症の症状が長く続く場合や、花粉症の治療をしているにもかかわらず、なかなか症状が取れない場合は、副鼻腔炎を合併している可能性があります。症状としては、鼻水ですが、濁った鼻水になると副鼻腔炎が疑われます。子どもでは副鼻腔炎になりやすく、繰り返しやすいですが、大人では、治りにくいことが多いです。鼻茸というポリープがあると鼻づまりが強くなります。副鼻腔炎の原因の1つとして、好酸球という白血球が関わっているものを好酸球性副鼻腔炎があります。好酸球性副鼻腔炎は再発しやすく治りにくいのが特徴です。大人になって発症し、アスピリンで悪化する喘息で見られやすいです。鼻茸も見られやすいです。
副鼻腔炎は、鼻の診察、超音波検査、X線検査、CT検査で診断されます。副鼻腔炎について、詳しくは「副鼻腔炎の原因・症状・診断・治療」をご覧下さい。
■口腔アレルギー症候群
野菜や果物などの食べ物を食べると、15分以内に唇の腫れ、舌やのどへの痛み・かゆみ・不快感を感じ、時に、舌・のどの腫れを起こす病気です。野菜、果物と花粉との交差抗原性によって起こります。交差抗原性とは、一見違ったもので、アレルギー反応を起こす部分が非常に似ているために、同じようなアレルギー反応を起こしてしまう可能性のある構造を持つことを言います。生野菜や生果物で症状が出やすく、処理すると症状が軽くなることがあります。
花粉症との関連が言われています。口腔アレルギー症候群について、詳しくは「口腔アレルギー症候群とは?治療と対策」をご覧下さい。
■喘息・気管支喘息
口から肺までの経路である気管・気管支。この気管支が狭くなってしまう病気です。アレルギーを起こす物質であるアレルゲンが口から気管支に入ってくると、体が異物と認識して排除しようとします。この時、体に入らないようにするために、気管支にある平滑筋という筋肉が収縮します。その結果、気管支の内腔に近い粘膜(ねんまく)がむくんでしまい、その周りに痰がつきます。これは、痰と一緒に異物を出そうとするためです。
これが原因で、気管支の内腔が狭くなり、ヒューヒュー、ゼイゼイといった空気が狭い所を通る音がします。この音を「喘鳴(ぜんめい)」と呼び、症状を「喘息発作(ぜんそくほっさ)」と呼んでいます。喘息について、詳しくは「アトピーと喘息の関係」をご覧下さい。
花粉症と気管支喘息は合併しやすく、子どもで多く見られます。花粉の大きさでは気道まで行かないとされていましたが、スギ花粉の表面の一部が気道に入って喘息を起こすスギ花粉気管支喘息があります。気管支喘息の患者がスギ花粉飛散時期に悪化することも言われており、鼻づまりが原因であったり、アレルギーの体質(IL-5などのサイトカインの影響)が原因であると言われています。
さらに、海外では雷雨ぜんそくの原因は花粉と言われています。詳しくは「海外では死亡者も…雷雨ぜんそくの原因と対策法」をご覧下さい。
花粉症の対策・治療法に関しては、「自分でできる花粉症対策」や「花粉症の治療」をご参照ください。