一方で、副鼻腔炎は気管支喘息の合併症でもありますが、気管支喘息の治療をされていてなかなか治らない場合、副鼻腔炎が原因かもしれません。アトピーでも、咳・鼻が長引く場合は、副鼻腔炎も考えられます。今回はこの副鼻腔炎について解説いたします。
副鼻腔炎とは
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顔には副鼻腔という空洞が存在します。そこに膿がたまるのです |
この副鼻腔は生まれたときには存在しないのですが、成長とともに空洞ができてきます。副鼻腔と鼻のつないでいる穴を自然孔と呼んでいます。花粉症の場合、この自然孔から鼻水が入ったり、鼻づまりから自然孔が閉じてしまって副鼻腔炎になりやすいのです。
副鼻腔炎の原因
主に鼻の粘膜の炎症によって、鼻汁が多くなり、副鼻腔にたまってしまったり、細菌やウイルスそのものが副鼻腔に侵入して、炎症を起こしたりしてします。特に風邪や咽頭炎、鼻炎などの合併症として副鼻腔炎がありますので、風邪の症状が長引くときは要注意です。さらに、ダニや花粉などによって副鼻腔炎を起こしたり、アレルギー性鼻炎を起こして副鼻腔炎を引き起こすことがあります。感染症からアレルギーまで原因は様々です。さらに鼻をすすることで、副鼻腔に鼻汁が入ることもあります。
副鼻腔炎の症状と診断
では、副鼻腔炎には、どんな症状があるのでしょうか? 以下に挙げた症状が長く続く場合、副鼻腔炎の可能性があります。■症状
- 鼻閉・鼻づまり
- 膿性鼻汁(鼻水が濁っている)
- 後鼻漏(鼻水が鼻からのどに落ちる)
- 頭痛
- 顔が痛い
- 匂いが判らない
- 長引く咳
このように鼻の症状だけでなく、頭痛や咳の原因に副鼻腔炎があります。
■診断
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副鼻腔に空気がないので、X線では白くなっています。黄色で囲んだ部分です |
副鼻腔炎を診断するためには、以下の検査を行います。
- 副鼻腔と鼻の間の穴から膿のような鼻水が出てくる(耳鼻科で鼻鏡で観察)
- 超音波検査
- 顔のX線撮影(Waters法)
- CTスキャン
「咳」の原因として、副鼻腔炎があります。私自身、咳のみが続く子供で、副鼻腔炎を診断し治療することで、咳がなくなった例を多く診ております。
では副鼻腔炎がアレルギーにどのように関与しているのでしょうか?次のページでは、副鼻腔炎とアレルギーについて、ご紹介します。