「響き合い」のコミュニケーションを
意識しているか?
ネガティブワードがコミュニケーションを阻害する |
『声に出して読みたい日本語』の著者でもある斉藤孝氏は、コミュニケーションは響き合いである、と説きました。響き合うなかで、お互いのレスポンスが身体の内側のエネルギーを引き出し合うのだと述べています※※。
ネガティブワードをよく発する人は、こうした「響き合い」のコミュニケーションをふだんから意識しているでしょうか?「ただのグチ」とはいえ、それを日常的に垂れ流してばかりいると、コミュニケーションはどうなるでしょう? 円滑に進まないばかりか、相手からもいいものを引き出すことができません。せっかくの人と人とのつながりを、自分の人生にプラスに生かすことができなくなるのです。
今のままの自分でいいの?
グチを吐く前に、するべきことがある! |
しかし、グチをただやみくもに他人にばら撒くのではなく、まずは内省する材料に使うことを考えましょう。ネガティブワードが浮かぶのは、今の自分や現状に満足していないから。どこを変えればいいのか、そのために何ができるのか、を考えるチャンスでもあるのです。
それを考えることなしに、まずネガティブワードを吐いてしまうと、内省する機会を失ってしまいます。すると、自分はどこを見直したらいいのか、そのポイントがわからなくなるのです。
「グチはためないほうがいい」とよくいわれますが、内省することなしに吐いてばかりいるのも、よくないのです。グチを言ったときには、なぜグチがでるのか、同じグチを言わないためにはどうしたらいいのかを考えることが大切です。
「たかがグチ」と思うかもしれませんが、そのひとことに注意を向けないでいると、自分をさらなる不幸に追いやることにもなりかねません。ご用心を。
【引用文献】
※『コミュニケーション力』斉藤孝著(岩波新書 2004)