ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

「クレーム」で冷える関係、近づく関係(2ページ目)

親しき仲こそ、クレームが必要! でも、気をつけないとクレームで関係が冷えることも。逆に、上手なクレームを伝えられれば、関係は以前よりホットになります。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

クレーム・テク2:ソフトな改善案を伝える

怒りにまかせて、ハードな要求を一方的に伝えてませんか?
怒りにまかせて、ハードな要求を一方的に伝えてませんか?
次のステップでは、必ず「こうしてほしい」という要求を伝えます。

ただし、ここでは相手が実行しやすい改善案を提示するのが大事。「ちゃんとやってよ!」「自分で考えて」と言われても、相手にはなす術がありません。

「こうしてみようよ」「こうしてくれるとうれしい」とソフトな改善案を具体的に伝えれば、相手も納得できるでしょう。

(目標例)

● 約束の時刻までに帰ってこない夫
→NG:「次は、必ず約束を守ってよ!」
→OK:「遅くなるときは、連絡入れて。あんまり遅いなら、待たないことにするね」

● 言ったことを守らない子ども
→NG:「ちゃんとやらなきゃダメでしょ!」
→OK:「○○のとき、ママも見てるから。守れるようにしようね」

● 勝手なことばかりする友人
→NG:「人の気持ちをもっと考えてよ!」
→OK:「1人で決める前に、私の気持ちを聞いてくれるかな?」


クレーム・テク3:心をつかむフレーズを最後に

そして、最後のステップは、「締めくくり」です。ここが、クレームで関係を冷えさせるか、温めるかの分かれ道になります。

言われた相手の心境を考えてください。面子が潰れ、凹んでいるものです。
そこで、最後に相手の冷えた心を温めてあげるのが大事です。

フレーズは、(1)謝罪・お礼、(2)ほめ言葉、(3)決意表明の3ステップでいきます。たとえば、次のような順で締めくくってみましょう。

(ステップ1:謝罪・お礼)

「イヤなことを聞かせてごめんね」「傷つけたら、ごめん」「聞いてくれてありがとう」


(ステップ2:ほめ言葉)

「でも、あなたの○○な面は、すごく尊敬してる」「○○できたのは、あなたのおかげ」「でも、あなたのことすごく信頼してるから」


(ステップ3:決意表明)

「だから、これからもいい関係を続けていきたい」「だから、私たちの仲を大切にしたい」「だから、もっと楽しくしたい」


このように、クレームを言うときには「言いっぱなし」ではなく、相手の気持ちを汲むことが大事なのです。それによって、関係は今までより何倍も温かくなり、信頼の絆が強くなります。

クレームをきっかけに、ぜひ良い関係に発展させてみてくださいね。
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