ストレス/女性に多いストレス

集合住宅の「ママ友ストレス」の落とし穴!

幼い子どもの多いマンションなどの集合住宅では、「ママ友」のお付き合いに花が咲きます。その反面、つきあいが濃くなり、“鍋・釜・財布丸見え”の状態に。その結果、抱える思わぬストレスとは? 集合住宅が抱えやすい「ママ友ストレス」について考えます。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

マンションで起こった、ある「ママ友ストレス」

気楽で楽しいマンションの「ママ友」。でも近すぎて付き合いが濃くなると……

気楽で楽しいマンションの「ママ友」。でも近すぎて付き合いが濃くなると……

2年前、大規模マンションに引っ越してきたサエコさん(専業主婦 28歳)は、夫30歳(会社員)、娘3歳との3人暮らし。築30年の古アパートから一転、新築マンションでの夢の生活。引っ越し当初は、何もかもが目新しく希望に満ちていました。

サエコさんは、子どもたちを連れて、敷地内の公園にお出かけするのが日課。同じマンションに住む親子連れと毎日遊び、いつしか仲のよい「公園仲間」ができました。最初は気安くお互いの家を行き来でき、楽しかったのですが、会えば会うほど、お付き合いは濃くなる一方。サエコさんはだんだん息苦しくなってきました。

来年からは仲間のよしみから、それぞれの子どもたちを同じ幼稚園に通わせることに。毎日、同じメンバーと3年間も一緒にバスの送り迎えです。それだけでなく、子どものお稽古の見学会やら、ママ同士のスポーツジム見学やら、いつしか何でも声を掛け合うのが慣習になっています。みんないい人ですし、一緒だと安心できていいのですが、ベッタリすぎてサエコさんはちょっとうんざりです。

しかも、先日は住宅ローンの話からそれぞれの家庭の「格差」が分かり、ショックを感じてしまいました。周りより家計が苦しいことに気づいたサエコさんは、「高給取りの夫、お金持ちの両親でいいな。それに比べてうちは……」などと、妙なジェラシーを覚えるようになりました。

毎日のようなベッタリ付き合い、家計まで“まる分かり”の窮屈さ。好きで友だちになった仲間なのに、今では少しうっとうしく感じています。とはいえ、1人になるのは嫌だし、心地よい付き合い方はできないものかと悩んでいます。


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