「仕事時間」を
ストレスフリーにする5つのコツ
この、仕事時間をストレスフリーにする方法については、今月発売された拙著『なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか?』で詳しく紹介していますが、この本の中から、すぐにできる方法を5つ抜粋してお伝えします。(1) 朝の通勤時間は、意識してしっかり歩く
毎日イヤな気持ちを抱えたまま出勤していると、朝の仕事の立ち上がりが遅くなり、気がつけば30分、1時間と多くの時間を無駄にしてしまいます。
そこで、朝からイヤな気持ちで仕事時間をスタートさせないように、通勤時間はしっかり歩きましょう。朝からしっかり歩くことで、脳への血流が増え、脳の神経細胞が刺激されます。また、空間が移り変わったり、街のざわめきや心地よい空気に触れることで、感覚が研ぎ澄まされます。
この「しっかり歩くこと」は、朝いちの仕事への意欲を高めるためには、大切な刺激。そのためにも、朝は颯爽と歩いて出社しましょう。
(2) 仕事中のカラダは「ゆるみ」が基本
集中しよう、失敗しないようにやろうと気負えば気負うほど、体は硬くなっていきます。そのせいで、せっかくのチャンスにも自分の力を生かしきれず、結局は平凡な結果に終わってしまいます。
アスリートが最高の実力を発揮するとき、体にはムダな力が入らず、非常にリラックスしているといいます。仕事でも同じこと、アイデアが湧き、仕事がはかどるときには、集中しながらも、ムダな力が入らずに体はリラックスしているものです。
仕事中は、できるだけこの状態を目指すことが大事。緊張を感じたときには、少しデスクを離れて手足をブラブラさせたり、体をゆすってみるといいでしょう。
(3) ひるめしで「コミュニティ・ラーニング」を
仕事をスムーズに進めるには、自分一人の力では限界があります。そこで、周りの人と協調し、サポート体制を築きやすくすることが大事になります。
そのためにも、たまには「ひるめし」を共にするのが大事。人は、「めし」を通じて仲良くなる生き物であることが、大昔から経験的に実証されています。
たとえば、ランチタイムを「コミュニティ・ラーニング」の機会に利用してみるといいでしょう。これは、同じくらいの知識や経験を持つ仲間と一緒に学習し合うこと。早い話が「情報交換」の機会と捉えればいいのです。
昨今の会社では、喫煙コーナーが閉鎖され、飲み会がなくなり(いいことではありますが)、ざっくばらんな情報交換の機会が激減しています。たまには、4~5人くらいの小グループでランチをとり、仕事や個人的な勉強などの情報交換を兼ねて、ざっくばらんな会話で協調しやすい雰囲気をつくりあうことです。
(4) 不安は具体的に言葉にして書く
仕事での「不安」はつきもの。しかし、立ち止まっていると、不安はどんどん募ってしまい、問題は大きく感じられるばかりです。大切なのは、どんな行動からでも、具体的に一歩踏み出してみることです。
そのためにも、まずは今感じている不安を具体的に紙に書いてみましょう。ポイントは次の5つです。
[1] どんな不安か
[2] どんなときに感じるのか
[3] 何が不安を引き起こしているのか
[4] どうしていきたいか
[5] 今すぐにできることは何か
このように、漠然とした不安も紙に書いてみると、その原因となることがピンポイントで分かるようになります。そして、[5]の「今すぐにできること」からさっそく始めてみると、歩き始めた過程でいい情報に出会えたり、いいアドバイスをくれる人との出会いが広がり、気づいたときにはゴールに近づいているものです。
(5)「ワード・コミュ」と「トーク・コミュ」を使い分ける
メールを使うようになってから、「会話」の機会が激減したと感じませんか? 電話をする際にストレスを感じ、ついメールに頼ってしまう人は、会話力が低下しているかもしれません。
メールを使った文字によるコミュニケーション(ワード・コミュ)と、電話や対面による会話(トーク・コミュ)には、それぞれに利点があります。それぞれのいいところを把握して、状況にあった選択をできるようにするのが大切です。たとえば、次のようなポイントでうまく使い分けをしてみましょう。
・【新規の仕事の依頼】→概要をメールし、電話で挨拶。
・【謝罪】→すぐに電話。立腹度によっては、直接会って対話で謝罪。
・【混み入った内容】→メールで直接話せる時間を確認し、電話か対話でじっくり話す。
・【連絡事項】→メールのみでよい。
メールの普及から、私たちが忘れかけていること。それは、コミュニケーションは「言葉」以外の部分にこそ、たくさんの情報がつまっていること。つまり、メールは、会話の情報量にはかなわないのです。
仕事は、人とのつながりによって発展していくもの。日常のやりとりはメールがメインでも、「ここぞ」というときには、きちんと対面して意思の疎通ができる自分を保つことです。