ストレス/家庭・育児・嫁姑・義理づきあいのストレス

嫁姑がいがみあってはいけない理由(2ページ目)

「嫁姑問題」は家族トラブルの元凶でもあります。しかし、その火種を大きくすると思わぬ影響を招くリスクも。義理付き合いを「憎悪」に発展させないための4つの心がけをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

嫁姑が「憎悪」を募らせないための4つのポイント

あなたは全部書けますか?嫁姑の尊敬できる10個のポイント
あなたは全部書けますか?嫁姑を尊敬する10個のポイント
「よい家庭」とは、家族間に愛情と信頼が充満している家庭です。こうした家庭を保つためには、関係を「憎悪」に傾けない心がけが必要になってきます。

なかでも、複雑な感情が絡みやすい「嫁姑問題」は、家族問題管理の最も大切なキーポイントとも言えます。具体的な対策ポイントを4つお伝えします。

1)「尊敬できるところ」を10個ノートに書きだす

嫁は「愛する息子を生涯支えてくれる人」、そして姑は、「愛する夫を産み育ててくれた人」です。敬意を感じなければ、愛情と信頼に満ちた家庭は築けません。

嫁姑は、放っておけばお互いの嫌なところばかり目についてしまうもの。そのため、意識的に良いところを見つける努力が必要になってきます。まずは、「尊敬できるところ」を10個書きだしてみましょう。

3つくらいは挙げられても、10個も挙げるのは大変難しいものです。しかし、視点を変えたりよく観察していけば、必ず見つかります。10個書いたら、キッチンなどに貼って、日頃から目を通すようにしておきましょう。また、何かの折に「嫁(姑)のこういうところを尊敬しているのよね」などと、お互いに伝えあったり、夫や子どもに伝えることで、家族の関係はやわらかくなっていくでしょう。

2) 「好意」に感謝し、「希望」をやわらかく伝える

連絡もなく義母からドカッと届く贈り物。頼んでもいないのに、しょっちゅう世話を焼きに来る嫁。その気持ちはありがたいんだけど、「もう少し控えてくれたら・・・・・・」と感じている人も多いでしょう。そんな相手からの贈り物やお節介が心苦しくなったら、自分の気持ちをやんわりながらも率直に伝える必要があります。

そのコツとは、まずは「好意」を素直に受け入れ、感謝の言葉を述べること。次に、自分の「希望」をやわらかく伝えることです(「とってもおいしかったわ! でも、うちは半分くらいで十分よ」「いつもありがとう。でも、私が自分でやりたいからもう大丈夫よ」など)

ただし、相手の好意を無にするような言葉は、亀裂の元になるため絶対にタブーです(「もう贈ってこないでください」「これ嫌いなの」など)。我慢して自分の心の中で憎悪を募らせていくのは、さらによくないことです。「好意に感謝」+「希望をやわらかく主張」。これをセットにしてコミュニケートしていきましょう。


3) 家族間の悪口は絶対にタブー

憎悪を募らせるだけ募らせ、夫や子どもに悪口をぶちまけるのは最悪のパターンです。どうしても憎悪が募ってしまうなら、カウンセリングを利用して、自分の気持ちを整理するといいでしょう。

また、夫や子どもに気持ちを打ち明ける場合には、「相談」の形で話してみることです。実りある相談のコツとしては、自分なりの解決方法を提示しながら話すこと(「私から言うと傷つくと思うから、あなたから、それとなく話してもらえるかしら」など)。

その際にも、必ず嫁姑への感謝の言葉を織り交ぜることです。「きっと親切な気持ちでやってくれたのね。ありがたいよね」「じっくり話せば分かると思うの。優しい人だから」というように、必ず「プラスのメガネ」で見た一言を添えるのが、思いやりです。

4) 癒しや甘えを期待しない

嫁側も姑側も、初めから実の母親や娘に求めるような癒しや甘えを期待しないことが肝心です。嫁姑は、ともすれば「息子をとった人」「夫をマザコンにした人」などと、悪い感情を募らせやすい相手なのですから、「節度」と「一線」を意識し、感情的なトラブルが起こらないように、注意して付き合っていくくらいでちょうどいいのです。

そもそも、嫁姑の「良い関係」を築くには、長い時間が必要になるのです。したがって、日頃からトラブルが起こらないように、相手の個性やライフスタイルを尊重して踏み込みすぎないこと、自分自身も個性とライフスタイルを大切にすることを、念頭に置いて付き合っていく必要があります。

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