ストレス/ストレスフリーの思考術

「ポジティブ・スローガン」のすすめ(2ページ目)

目標を立ててもうまくいかないのはなぜ? 運転やダイエットを例にとって解説し、成功に導く「ポジティブ・スローガン」のつくってみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

イヤイヤやっても、長期的目標は達成できない

叩かれて伸びるのは、短期的目標だけ
その目標を「ノルマ」に感じていませんか?
反対に「負の強化」は、「嫌われないように、~する」「怒られないように、~する」、というように不快なことを避けようとすることで、やる気を起こす方法です。この方法は、達成してもあまり気持ちよくはなれません。

たとえば、「勉強しないと落第するから、毎日勉強しよう」というような場合がそうです。たしかに、目先の試験には効果的かもしれませんが、この目的では勉強自体はあまり好きにはなれないわけです。

知識が増える楽しさ、発見する喜び、向上したことの評価を実感しないと、勉強を続ける意欲が湧いてこないからです。そのうちに勉強自体を面倒くさく思い、「ノルマ」のように感じてしまいます。


私がペーパードライバーになったわけ

叱られてばかりでは、ペーパードライバー化するのは当たり前
叱られてばかりでは、ペーパードライバー化するのは当たり前
たとえば、車の運転がそうです。免許を取って車もあるのに、ペーパードライバーのままの人は意外に多いものです。それは運転できる喜びより、恐怖や不安、緊張感が勝ったままだからです。

たとえば、運転しているときの自分はどちらの気持ちがより勝っているでしょう?
A : 運転できてうれしい。もっと色々な場所に行けるように、いっぱい走ってみよう。
B : 事故に遭わないように、迷惑をかけないように運転しなければ。

また初心者の頃に運転をサポートしてくれた人は、どちらに近いでしょう?
A : 少しずつ上達しているあなたを見て、具体的に褒めている。
B : できないところだけを指摘し、運転にまつわる怖いイメージばかりを伝えている。

上の2つとも、Aが「正の強化」で、Bが「負の強化」です。

Bは、事故のリスクは減るかもしれませんが、長期的に見ると運転を好きになれなくなります。これでは、ペーパードライバー化してしまうのも、無理はありません(実は私もそうでした……)。


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