厚生労働省の調査によると、自分の仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスを抱えている人の割合は、6割近くに上ります(平成19年「労働者健康状況調査」による)。こうした仕事のストレスを引き起こす原因には、どんなことがあるのでしょう。代表的と言われるものをあげてみましょう。
コミュニケーションの問題
|
協力性の薄いドライな職場が増えている |
職場の人間関係の問題は、今に始まったことではありません。しかし、近年では時代の変化に伴う新たなコミュニケーション上の問題が生まれ、一層深刻になっています。その代表的な要因には、次のようなものがあります。
- 雇用の不安定化や非正規労働者の増加により、持続的な人間関係を築きにくい
- 職場のIT化等により、個人的で行う仕事が増え、相談できる相手が少ない
- 仕事の専門化、精鋭化が進み、上司による十分なフォローが得られにくい
- 成果主義により個人の成績が問われ、助け合いの発想が失われている
- あいさつ等のコミュニケーションを重視しない人が増えている
仕事の量と質の変化
雇用形態の多様化や職場のIT化、技術の高度発展などにより、仕事の量的、質的なストレスに苦しむ人も少なくありません。たとえば、次のような問題があります。
- 非正規労働者の増加により、一部の正社員に責任の多い仕事が集中しやすい
- 末端の仕事が集中する非正規労働者は、仕事のやりがいが少なく、実務でのスキル向上の機会を得られにくい
- IT化の進展や国際競争の激化等によって、スピード化と能力向上が求められる
- 技術の高度発展により、常に新しい情報や知識、技術の習得が求められる