妊娠期の体重の影響
平成15年国民健康・栄養調査結果によると、20歳代女性の低体重(BMI18.5未満)割合は2割を越え「やせ」の傾向が見られます。妊娠の可能性がある女性にとって過剰に「やせ」にこだわる事はリスクを伴います。というのは、「やせ」志向の妊婦さんから低出世体重児が生まれる確立が高いのです。出産時の赤ちゃんの体重は、その後の発育や健康に大きな影響を与えます。近年では低出生体重児の割合は増加傾向にあり、低体重児は、発達に問題が生じる場合もあります。また、成人になってから、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を発症しやすいとの研究報告もあります。
また妊娠時に母親が「肥満」であっても、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、帝王切開、分娩時出血量が多くなりがちなどのリスクが高まります。
妊娠時の体重増加量は、非妊娠時に
低体重(BMI18.5未満)に該当する人は9~12kg、
ふつう(BMI18.5以上25.0未満)に該当する人は7~12kg、
肥満(BMI25.0以上)に該当する人はおおよそ5kgを
一応の目安としています。
妊産婦の食生活
厚生労働省では、「妊産婦のための食生活指針」を策定し、妊娠期及び授乳期においても食事のバランスや身体の活動量に気を配り、食事量を調整するとともに体重の変化を確認することをすすめています。身体活動が「普通」レベル」の場合、妊娠期に必要なエネルギー量は、非妊娠期に比べ、妊娠初期(16週未満)は50kcal、中期(16~28週未満)は250kcal、末期(28週以降)は500kcalを付加すべき量として示しています。
また妊娠期および授乳期は主食を中心として、たっぷりの副菜と適量の主菜に、牛乳・乳製品などカルシウムの豊富な食品を組み合わせたバランスのよい食生活をするように呼びかけています。
詳しくは、厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」をご覧ください。