療養食・食事療法/療養食・食事療法の基礎知識

現代版の医食同源 - ドクターズフード

食材や調理法にこだわったワンランク上の療養食・予防食が流行の兆しをみせています。セカンドライフを満喫するためにも、今日から健康な食生活をはじめてみませんか。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

現代版の医食同源とは、最新の栄養情報をもとにして、食材や調理法にこだわったワンランク上の療養食・予防食です。健康食、特に療養食の場合は、味気がないと思われがちですが、素晴らしいお料理がレストランやカフェなどで楽しめるようになりました。

ドクターズフード流行の背景には何が?

今のあなたの食習慣で病気を予防できますか?普通のサラダに少し工夫を加えるだけでも、栄養価はアップします。写真は血管の健康を意識したサラダです。
最近では、栄養と体の症状の研究が進んでいます。日本の栄養界でも人間栄養が注目を浴びてきています。栄養素の働きにより体の症状を改善しようとするドクターズフードの流行は、栄養学の進歩に対応したものだと思います。また、平均寿命も長くなり、仕事の定年を迎えた人や子育てを終えた人が、自由な時間を満喫しながら暮らす、「セカンドライフ」という言葉も広く浸透し、生活の質に注目が集まっています。生活の質を左右する大きな要因の一つは健康だといっても過言ではないと思います。しかし、最近では、食生活・運動習慣・ストレス・喫煙などの生活習慣に関連する病気が増えてきました。現代版の医食同源の流行の兆しは、いつまでも現役で楽しみたいと思う日本人のライフスタイルの変化に応じたものだと思います。

長寿国・日本! 次なる課題は病気予防

厚生労働省の発表によると、全死因の1位はがん(31.1%)、2位は心疾患(15.5%)、3位は脳血管疾患(12.5%)です。2位と3位は、高血圧や動脈硬化といった血管に関する病気です。一部のがん・高血圧・動脈硬化などは食習慣を含めた生活習慣と強く関連しているので、生活習慣を改善することで予防が可能ということになります。ドクターズフードの流行は、多くの人が予防の大切さに気付き、病気予防に取り組むようになったためと考えられます。 

日本人は世界的に長寿で知られていますが、脳卒中などの後遺症により生活に支障をきたしたり、糖尿病や腎臓病の悪化により透析が必要になったり、骨粗しょう症により寝たきりになったりする場合が多いのも事実です。定年後は、自然豊かな場所でスローな生活を満喫しようとプランしている読者の方も多いのではないでしょうか? 現代版の医食同源で健康をキープして生活を満喫していきましょう!

次のページで現代版の医食同源を取り入れたレストランを紹介します。
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