舌の部位でわかる心身の不調箇所
- 舌両脇:肝と胆
- 舌先:心と肺
- 舌中央:脾と胃(脾は消化器全般と考える)
- 舌奥:腎
舌の両脇に筋や斑点がつくことも |
漢方ではストレスと密接な関連のある場所があり、ここを「肝」と呼んでいます。
五臓でいうところの肝臓の機能だけでなく、肝には気のめぐりをよくするなどの、自律神経にも似た働きがあるので、怒りっぽかったり、イライラしたりすると、この「肝」に影響があるとみるわけですね。
舌でいえば、肝を表す場所は舌の両側です。この両側が赤くなると、肝に熱がある状態で、トラブルがある証拠。最近ストレスを感じている方、舌のフチが赤くなっていませんか……?
■不眠や過労は舌の先に出やすい
赤い部分は熱をもっている証拠 |
次に、舌の先端が赤くなっている場合。
舌の先は五臓で表すと心の場所です。先ほども触れましたが、心は精神活動にも深くかかわっていて、睡眠不足や疲労によって心の機能が亢進すると、舌の先が赤くなったり、炎症が起きてボツボツと舌先に突起が出来たりします。ひどくなると口内炎を起したりも。
なお、舌には無数の毛細血管が通っていますが、舌の裏側をご覧になったことがあるでしょうか? 血行不良になると、舌の裏側の静脈が赤紫色に浮き上がって見えるはずです。
これは血液循環の悪さを示し、漢方では「オ血」と診断します。肩こりがひどい、アザやシミが出来やすい、生理時にレバーの固まりのような血が出るといった症状の方に起こりやすくなります。
今回は舌の色と関連のある臓器や症状についてでしたが、チェックポイントは舌の大きさ、苔の色、水分量などまだいろいろあります。なお今回は舌の赤さに注目しましたが、白っぽい舌の人も結構います。次回は「白い舌でわかる体質」をご紹介しましょう。
舌診以外の漢方の基礎知識については、下記記事をあわせてご覧ください。