何だかヤル気が起きません ⇒ 「うつ病」
うつ病患者の90%に、不眠がみられます |
そのため、不眠を訴えていた人が実はうつ病の初期だった、ということがよくあります。また逆に、不眠が続いている人の多くが、うつ病を引き起こしやすいことも分かっています。
うつ病による不眠の特徴は、朝早くに目が覚めてしまって、再び眠ることができなくなることです。また、寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めてしまったりということもよくあります。
これは、睡眠を誘発する物質を蓄えるメカニズムに異常があって、睡眠物質がなかなか溜まらないため、寝つくのに時間がかかり、眠りの維持もできないのだと考えられています。
さらに不眠の多くは、数週~数ヶ月間にわたって毎晩続きます。夜だけでなく昼間に眠ることもできず、「全く眠れない」というのが、うつ病のもう1つの特徴です。
不眠に加えて、意欲の低下や食欲の不振、起床時の気分の落ち込み、イライラする感じがあるときには、うつ病が疑われます。心配な方は、早めに心の病の専門医に相談すると良いでしょう。
うつ病を治して、不眠も解消
キチンと治療を受けて、グッスリ眠りましょう! |
最近では抗うつ薬の中でも、選択性セロトニン再取り込み阻害薬 ( SSRI ) や選択性セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 ( SNRI ) が、よく使われます。これらの薬は、日中の眠気などの副作用が少ないことが、利点です。さらに SSRI は、睡眠ホルモンであるメラトニンの夜間の分泌を高めるというデータがあり、不眠の治療効果も期待されています。
薬による治療と同じくらい、精神療法も大事です。認知療法や行動療法などの精神療法では、専門医や専門のカウンセラーが患者さんの話をよく聞いたうえで、心の動きについての専門的な知識を伝え、うつ病や不眠を改善・解消するための指示を与えます。
精神療法は効果が表われるまでには少し時間がかかりますが、専門家の指導の下に行えば、薬を使わずに自分の力でうつ病や不眠を克服することも可能です。
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