たとえば、転職によってアパシーになってしまった場合、会社への失望から「また辞めようかな」と思う人もいるでしょう。しかし、どの部分に失望したのかを自分でしっかり把握できていなければ、次の転職先でも同じことをくり返してしまいがちです。その結果、結局は理想の職場が見つからず、「会社なんてこんなもんだ」と働くこと自体への興味を失ってしまう可能性もあります。
それを防ぐためにも、自分は何のために転職するのか、失望したポイントはどうしても許せないことなのか、他の会社に転職しても同じような失望を受ける可能性はないだろうか、キャリアや収入のためにはそのポイントをガマンすることができないだろうか、いま転職するのは自分の今後のためにプラスになるのか、など、さまざまな方向から自分に問いかけてみることが大切です。
また、「これさえ実現できれば、すべてがうまくいく」と極端な目標設定をし、深く考えないですぐに行動に移してしまう人も、理想と現実のギャップに失望すると一気にアパシーに陥る可能性が高いといえます。若い人にアパシーが多いのも、こうした楽観的な考えで衝動的に行動し、無防備なまま現実の壁にぶつかってしまうからなのでしょう。
もちろん、他の楽しみをすべて排除して目標達成への求心力を高めることは、短期の夢を実現するためには有効でしょう。しかし期待やそそぐエネルギーが大きすぎると、夢がかなわなかったとき、あるいは夢がかなっても理想と違っていたときに、感じる衝撃も強くなるということをあらかじめ覚悟しておくことも必要になります。
そしてアパシーになったからといって、自分は弱い人間だ、浅はかな人間だなどと卑下しないことも大切です。程度の差こそあれ、誰でも頭で抱いていた理想と現実とのギャップに落ち込み、深く傷つくことがあります。しかし、大切なのはそれを乗り越えていくことです。
思い通りにいかないことへのいらだちやむなしさを感じても、それを飲みこむことができれば、多少のストレスにもめげない強い精神をつくるのに役立ちます。自分のアパシーに気づいたときには、これをよい契機と捉え、自分の人生をよりよいものにしていくために何が必要なのかを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
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