昇進した時はうつ病にご用心
辛い事ばかりではなく、良い事もうつ病のきっかけになってしまうことがあります
気分の落込みが特徴のうつ病には意外なきっかけがあります。こんな事はなかったですか? 出世した同僚を祝ってあげようと集まったのに、なぜか本人は元気がなく冴えない表情をしている……。

実は、職場での昇進がきっかけとなり、うつ病が発症してしまう事は稀ではありません。うつ病に気を付けたい時は、辛い経験をした時ばかりではないのです。今回はどうして昇進のような良い事が起きた時にも、うつ病に気を付けたいかをお話ししたいと思います。


幸せな出来事もストレス要因……うつ病の原因に!?

ストレスの原因は辛い事ばかりではありません。良い事でも本人にとっては大きな心の負担となる事があります。

例えば最初にあげたような「昇進」。職場で出世するという事は今までの努力や実績が認められたということですから、素晴らしいことです。しかし、昇進を告げられた時点で、「自分は当然、そうあるべきだ」と、落ち着いて受け止める人もいるでしょうが、十分に心の準備ができていない時はびっくりしてしまうかもしれません。特に、数段飛びの大抜擢のような時はなおさらです。

それに昇進後、権限は増しますが、同時に責任も重くなります。こなさなければならない仕事の量が増え、人間関係もより複雑になると思います。慣れない多くの事に直面しなくてはならない時は心の健康にとって試練の時になります。これは、昇進だけでなく、結婚や出産など他の嬉しい出来事にも共通していえることです。次に、嬉しい出来事でうつ病にならない心構えについて述べます。


進行前にケアを! 気付きにくい「うつ」の初期症状

まず大切なのは、うつ病の始まりをちゃんと自覚することです。うつ病の始まりは日常、よくある心身の不調と同じような事が多く、なかなか気付きにくいものです。疲れやすく、体がだるく感じられたり、不安や緊張を感じて、頭がいつもより働かなくなったりします。また、今まで楽しめていた事が楽しめなくなり、睡眠、食欲も普段通りではないことが多いのも特徴です。また、気分の落込みがはっきりせず、頭痛、胸痛、息苦しさなどの体の症状が目立つ場合もあります。

ちょっとした不調ですめばよいのですが、そのまま「うつ」が進んでいくと、会社へ行くのが辛くなって行けなくなってしまったり、ひどくなると、自信を失ってしまい、「死にたい」という気持ちが生じやすくなったりします。自殺のリスクはうつ病では決して忘れてはいけない事です。「死にたい」という言葉が口に出るような時は、決して、軽く見てはいけません。他の病気で病院に行くように、きちんと精神科や神経科で相談するのが良いと思います。


「心の風邪」は早いうちに治療を!

うつ病から早く回復できるかどうかは、「うつ」の程度が軽いうちに治療を始められるかどうかがとても重要です。「私はうつ病になんかかかるはずはない」と思っている人もいるかもしれませんが、実は、うつ病は「心の風邪」と言われる程、誰でもかかり得る病気ですので油断は大敵です。

昇進した時のうつ病対策としては、たとえ、嬉しさのあまり舞い上がってしまっても、できるだけ早く平常心に戻るように意識するのが大切です。心から喜ぶことは大事ですが、もしも、眠れなくなってしまう程の興奮状態が続いてしまったら、心が緊張し過ぎている可能性があります。仕事とは関係のないところでジムへ行って体を動かしたり、家族とリラックスした時間を過ごしたりといったように、それぞれのやり方で心の緊張のレベルを下げ、新しい環境になじむ準備に取りかかりましょう。備えあれば「うつ」無しです。
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