腰痛を簡単に考える方法　そもそも腰痛ってなんですか？(2ページ目)

神経に問題がある場合
腰椎椎間板ヘルニアなど

MRIは詳しい状態が良くわかります

さて、詳しい検査にはMRIというものがあります。（MRIがどんな検査かということについてはCT、MRIってなあに？へどうぞ）

右の写真をご覧下さい。上の写真は背中を横からみた状態（左がおなか側）、下の写真は体を輪切りにした状態（上がおなか側）です。

MRIではいろいろなことがわかります。特に一番わかりやすいのは腰の神経の状態です。右の写真で、竹のように見える骨の後ろにある、黒い球根の根のような形のものが『脊髄神経』といわれる神経です。この神経がさまざまな理由で圧迫されて炎症をおこすと、神経痛が生じます。

横断面

お若い方に良く見られるのが『腰椎椎間板ヘルニア』という病気です。これは骨と骨との間の椎間板というクッションが神経のほうに出っ張ってしまう状態のことを指します。（ちなみに余談ですが『ヘルニア』というのは『出っ張って突出すること』という意味なので、『椎間板ヘルニア』というのは『椎間板が出っ張っていること』というです。そのままですね）。足や腰の痛み、しびれなどが主な症状です。

少し年配の方では『腰部脊柱管狭窄症』（←腰の部分の脊髄神経を通している脊柱管というトンネルが狭くなって神経が悪くなる病気。これも読んで字のとおりです）なんかもあります。足や腰の痛み、加えて、足が痛くて長い距離が歩けなくなるなどの症状があります。

治療としては、安静にしていること、痛み止めのお薬、ブロック注射やリハビリがありますが、それでも改善しない場合は手術になることもあります。

骨や神経以外に問題がある場合
筋肉や椎間板など

腰を支えているのは筋肉です～この写真は腰の骨と神経の模型

今までのように、骨や神経に問題がないのにそれでも痛い場合があります。その理由として考えられているのが『背中を支える筋肉の痛み』や骨と骨との間のクッションである『椎間板』が変性してつぶれる痛みなどが考えられています。

ちなみに上のMRIをもう一度ごらん下さい。下の方の椎間板は上の方の椎間板に比べてやや黒くなって少しつぶれてますよね。これが『椎間板の変性』です。ただし、これは普通のヒトでも良く起こりますし、病的とも限りません。（このMRIは実はガイド自身のものだったりします）

治療は、一般的には安静、適度な運動、リハビリ、ひどければ痛み止め、といった形になります。

ただし、慢性の腰痛の治療には『長い間同じ姿勢をしない』『自分にあっているイスや机を使う』『体重を増やさない』『適度な運動をする』などの日常生活の注意が一番重要だということをご理解下さいね。

また、今回は整形外科的な範囲の腰痛を主にお話しましたが、転んでもいないのに急激に出現した腰痛や、決まって月経の時に起こる腰痛などは内臓的な問題の場合もあるので、お医者さんにご相談下さいね。

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