あなたにも起こりうる…お酒が原因で起こる怖い腰痛とは

飲酒

飲み方次第で、体に良いものにも悪いものにもなるアルコール。もし飲酒習慣があってひどい腰痛を感じる場合、膵臓の病気も疑ってみる必要があります

お酒が原因で起こる腰痛は、一般的に「腰痛」と呼ばれるぎっくり腰や腰の筋肉疲労などとは、症状が少し異なります。

飲酒が原因の腰痛の場合、痛みが腰だけではなく、背中の痛みや肩の痛みとして感じることがあるようです。しかも、最も痛む部位は腹部、特にみぞおち部分になることが多いようです。飲酒が原因で起こる腰痛は、「腹痛を伴う腰痛・背部痛」ということになります。これは耐え難い症状です。

痛みの原因は、アルコールにより、ある臓器に異常がおきたため。その臓器の位置が、胃の裏側で胃と背骨に挟まれたような体の深い位置にあるため、臓器による痛みが周りの神経を刺激して腹部の激痛を起こし、さらに腰や背中まで痛みを感じてしまうのです。これは「腰や背中に抜けるような放散される痛さ」と表現されることが多いようです。

一度壊れると戻らない? 飲酒が原因の膵臓の病気

アルコールといえば、肝臓が悪くなることが心配されますね。しかし、今回のお話でポイントになるのは、肝臓ほど注意が向けられない「膵臓(すいぞう)」です。「膵炎」という病気の名前をご存知でしょうか。

膵炎は急性膵炎と慢性膵炎にわけられますが、軽度の急性膵炎であれば、早急に治療し回復します。しかし、慢性膵炎の場合は、時間をかけて膵臓の細胞が破壊されて硬くなってしまっているため、元通りには治すことができません慢性膵炎の進行によって、徐々に痛みが無くなっていくのですが、これは治ったのではなく膵臓が荒廃してしまうためです。さらに膵炎は糖尿病をひきおこすこともあり、厄介な病気といえます。

急性膵炎の原因は? 膵臓が溶ける?

急性膵炎は、膵臓が分泌する消化酵素(膵液)によって、膵臓自身が消化作用を受けてしまうことでおこります。自分で自分を消化してしまうといったことが起こるのは、アルコールの作用が関係してきます。

濃いアルコールや、多量の飲酒で膵液の通り道(膵管)の出口が腫れて炎症をおこし、膵液が流れず膵臓の中にがたまってしまうことが、膵臓の自己消化につながります。また、アルコールは膵液の分泌を高める胃酸の分泌も促進させるため、症状を進行させる一因ともなります。慢性膵炎は、この急性膵炎を繰り返したり、長い間、お酒を大量に飲みつづけたり、脂肪を摂り過ぎるなどの食生活の乱れから起こります。

■膵臓のはたらき
体に入ってきた食べ物の、たんぱく質・脂肪・炭水化物を分解する消化酵素 (膵液)を分泌。この作用があるので、栄養が体に吸収される。

血糖値を調節するホルモンが分泌されます。膵臓が壊れると糖尿病になるのは、この働きが損なわれるため。

怖い腰痛を起こさないお酒の飲み方

慢性膵炎は、日々のお酒の飲み方に大きく影響されます。恐ろしいことに、じわりじわりと長い間炎症を繰り返し、自覚症状のないまま悪化していく例もあります。

急性膵炎の痛みは激痛ですが、慢性膵炎では鈍痛であることが多く、腰や背中の痛みも繰り返しておこします。10年くらいの期間にわたり、1日に100グラム以上のアルコールを連日飲み続けた場合に、発症率が高いといわれています。

■お酒の適正量
  • ビール…(中ビン) 500ml
  • 日本酒…(1合)180ml
  • ウイスキー…(ダブル)60ml
  • ブランデー…(ダブル)60ml
  • 焼酎…72ml
  • ワイン…200ml
上記の適正量の目安よりも日常的な飲酒量が多い人は注意が必要です。アルコールはもちろん、膵臓に負担をかけないためにも、揚げ物など油を使用したものはとり過ぎないようにしましょう。薄味の煮物や蒸し物が良いでしょう。また、胃液がたくさん出るような食品にも気をつけたいので、香辛料の強いものやコーヒーの飲みすぎにも注意が必要です。

お酒がきっかけとなる膵炎は女性よりも男性が多いようです。特に30~40代の方は要注意。飲酒が原因で起こる腰痛は、腰痛以外の症状を伴います。腰痛以外に気になる症状がある場合は放置せず医療機関を受診されることをおすすめします。

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