COPD……病的な肺機能の低下

肺機能低下模式図
加齢現象によって20~30代をピークに肺機能は低下してきます
タバコの販売数が増加した時期から20~30年経った現在、COPDと診断される患者さんが同じように増えており、COPD発病の原因として喫煙との関連性が高いことが知られています。

ここで右のイメージ図を見てください。健康な人(青色)でも加齢によって肺機能は低下しますが、喫煙の影響を受けやすい人では(赤色)加速度的に肺機能が低下してしまいます。また、禁煙によってもすでに失ってしまった肺機能は完全に元に戻るということはありませんが(黄色)、喫煙を続けた状態と比べると将来的な健康状態の差は歴然です。自覚症状が出現する前に禁煙を目指すことが肝要です。

禁煙を行うと、肺がんや心筋梗塞などにかかる確率はその時から徐々に減少するのですが、このように肺機能に関しては加齢現象による低下もあって、タバコを辞めた後でもCOPDと診断されてしまうこともあるのです。ところが、「ヘビースモーカー」なのに元気な人もいらっしゃるのは事実です。これは何故なのでしょう?


タバコの健康被害は不公平?!

COPDは喫煙との関連性が明白な病気であり、40~50代でも肺機能を補うための酸素療法が必要な方もいらっしゃるのですが、同じぐらい、あるいはもっと多くタバコを吸っているのに90歳になっても酸素療法を必要としないという方もいらっしゃいます。何故なのでしょう?

この問いに対する簡単な答えとしては、「体質」ということになります。遺伝的にタバコの害を受けにくいという人もいらっしゃることがわかっており、こうした場合には喫煙者であっても上の見出しのグラフで示したような、青い線に近い経過をたどることがあります。また、禁煙することによって心筋梗塞を発症する危険性も下げますが、80~90歳と高齢となるにつれて禁煙の有効性も低下するのではないかという意見もあります(注意:それでも他の病気のことも考えると年齢に関わらず禁煙のメリットは大きいです)。

とは言え、20~30年経ってから耐えがたい苦しみの出現してしまうこの病気、自分はかからないだろうと信じてタバコを吸い続けるということは……非常に危険な賭けかもしれません。


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