喫煙が原因となる呼吸器疾患の1つに慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気があります。慢性的な咳や痰、息苦しさなどが出現するのですが、この病気を実際に有する人のうち90%は診断されたことがない、隠れCOPDというデータがあります。短期間でもタバコを吸ったことのある方、もしかしてあなたも……?


肺気腫+慢性気管支炎=COPD

COPD-CT
赤い丸で囲んだ部分(気腫性変化:きしゅせいへんか)が周囲より黒く抜けているのがおわかりになるでしょうか? COPDではこうした部分も含めて至るところに病変が存在します
レントゲン写真やCT検査のように、肺を見た目で判断する検査法(画像診断と呼びます)で、肺の組織が壊れた所見が明らかなものを肺気腫、そうした所見を認めずに呼吸器症状だけを有する場合には慢性気管支炎と表現されることもあります。両者ともタバコを含めた有毒な粒子・ガスの吸入が原因となり、それぞれの病態は混在することも多いため、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と総称するようになりました。

ところが軽症のCOPDは1枚のレントゲン写真だけで判断することは難しく、重症度を含めた確定診断を行うためには肺機能検査が不可欠です。肺機能検査は肺活量の他、「一秒間のうちにどれだけ息を吐くことができるか」という一秒量などを調べます。COPDに罹患していると、思い切り息をフーッと吐いても一秒間で吐き出せる息の量は、肺活量の70%以下となります。また、肺活量に関しては、重症例では肺活量そのものも低い値となりますが、初期(軽症)には肺活量そのものは変化がないかむしろ大きくなることもあります。

例:(努力)肺活量が3リットル→思い切り息を吐いたとき、1秒間で2.1リットル未満しか吐き出すことができない


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