ストレス/ストレスフリーの思考術

あなたはいくつの「顔」を楽しんでますか?

社会に適応するために、私たちは「仮面」をつけています。この仮面のストレスが強すぎると、思わぬトラブルを起こすことも。仮面に振り回されず、バランスよく生きるために必要なこととは?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

社会で生きるには
いくつもの「仮面」が必要

一つの「仮面」に人生が支配されていませんか?
一つの「仮面」に人生が支配されていませんか?
人は他人と接するときには「仮面」をつけ、自分でも気づかないうちに上手に使い分けています。このように、人が社会に適応するために担う役割としての顔を、ユングは「ペルソナ」と呼びました。ペルソナとは古典劇で役者が用いる「仮面」の意味です。

一つの仮面がそのまま自分だと思い込んでいる人は多いですが、こうした場合、自分や他者に何かと不都合を与えることがあります。

たとえば、「厳格な上司」としての仮面を私生活でも外せずにいると、家族や近所の人にも居丈高に振舞って嫌われたり、自分の弱さを知る恐怖から、新しいチャレンジや変化に対して極端に臆病になったりすることが多いでしょう。


世間を騒がす事件にも
「仮面」が関係している!?

「仮面」のストレスが、思いがけぬ行動に走らせることも
「仮面」のストレスが、思いがけぬ行動に走らせることも
また、一つの仮面の縛りが強すぎてストレスがたまりすぎてしまうと、ある日突然、全然別な自分がひょっこり顔を出して、トラブルを起こすことがあります。

たとえば、真面目で評判だったエリート教師がわいせつ行為でつかまり、世間を驚かせたりするのもその一例でしょう。また、親の言いなりに生きてきた「大人しい子」が、凄惨な暴力事件を起こしたりするのもそうでしょう。

このように、仮面に縛られて窮屈になりすぎると、思いがけない行動に走りやすくなるので要注意なのです。なかには、それがプラスに働く場合もありますが、上のように社会的に問題となる行動を起こす危険もあります。

仮面に振り回されずにもっと楽に生きるためには、まず、社会と関わる以上、誰でも何らかの「仮面」をつけながら生きる必要があるということを認めてしまうこと。その上で、一つの仮面の影響が強くならないよう、バランスを取ることが必要なのだと私は考えます。

では、次のページではそのバランスの取り方について、私なりのアドバイスをお伝えしたいと思います。


次のページでは、「仮面」に支配されずに生きるためのコツについてご紹介します。>>次のページへ
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