しかし、なかには性格的にこうした“あせり”の気持ちを常に持ち合わせている人もいます。たとえば「タイプA行動パターン」をとる人です。タイプAの人は、他人との競争心が強い、いつもせかせかと時間に追われている、いつも何かをしていないと落ち着かない、つい仕事をたくさん引き受けてしまい、早く終わらせないと気がすまない、同時にいつも何かをしてしまう・・・など、せっかちで勝気な性格の人のことです。
このタイプの人は、常に緊張しているために血圧が上がりやすいなど、循環器系への負担が大きく、他人との競争せずバランスのとれた「タイプB」に比べて2倍も虚血性心疾患が多いということがわかっています。
最近、ストレスを感じることが多い、と感じる人はこのタイプAの行動パターンに陥っていないか、時々振り返ってみるとよいでしょう。なかなか自分の性格は変えられるものではありませんが、自分の行動パターンが生き方を苦しくしているようなら、やはりコントロールしていく必要もあるのではないかと思います。
なにかを成し遂げるためには、自分を追い込むことも必要ですが、あせりの気持ちだけで突き進んでいると、結局は満足感を得られず、努力も長続きせずに燃え尽きてしまうことがあります。そして、ひとつ成功を達成しても、「もっと高く上らなければ」と次から次へと高みを目指し、終わることのないデッドヒートを繰り広げることにもなります。もちろん、「上昇志向こそ、わが人生の目的」という方もいるでしょうが、あせりの気持ちが増えていくにしたがって、人生の本当の目的や満足感を見失ってしまうこともあるのではないでしょうか?
>>>次のページは、「せかされると子どもは逆に成長できない」>>>