ストレス/家庭・育児・嫁姑・義理づきあいのストレス

育児不安は夫婦仲が原因!?

子育てに大切なのは夫婦の「あ・うん」の呼吸。でも、パタニティブルー、セックスレスなど、意外な原因が育児をつらいものにさせていることもあるのです。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

子どもができてから、
夫婦の不協和音を感じませんか?

1
育児をきっかけに夫婦の絆を強めていますか? それとも夫婦の溝を深めていますか?
待望の子どもを授かり、夫婦で楽しい子育てを!と思ったのもつかの間、「私一人だけが、がんばっている」、と悩む妻は多いものです。

子どもを産んだとたんに、家庭生活における妻の負担は何倍にも増えます。しかし、夫に手助けをお願いしても、慣れないうちは、なかなか細やかな配慮ができません。また、子どもを夫に託して出かけようにも、幼いうちは「ママがいなくちゃダメ」と泣き叫びます。

こうした状況に疲れ、妻が子育てに自信をなくしてしまうことは、意外に多いのです。

妻が子育てに自信とやりがいをもつために必要なのは、なんといっても夫との「あ・うん」の呼吸です。つまり、夫と子育てに対する考え方、やり方の一致こそが大切。そのためには、夫はキャディーのような、伴走者のような役割を担わなければなりません。

しかし、「あ・うん」の呼吸は、一朝一夕でできるものではありません。まだ「ヨチヨチ歩き」の新米ママ&パパは、手探りでその呼吸をつかんでいくのですが、お互いを思いやる気持ちを忘れてしまうと、どうしてもいい「さじ加減」を見つけることができないのです。


パタニティブルーをご存知ですか?

1
子どもが生まれたあとに悩むのは、妻だけじゃない!
産後の女性は、ホルモンの乱れと出産の疲れ、育児への戸惑いなどから、うつ状態に陥りやすいことをご存知ですか? これを「マタニティブルー」といいます。

しかし、産後にうつになりやすいのは、妻ばかりではありません。子どもが生まれた途端に子育ての現実を突きつけられる夫も、うつになりやすいのです。これを「パタニティブルー」などといいます。

パタニティブルーに悩む夫の心情をひも解いて見ると、根っこにはこんな気持ちがあることが多いようです。

・妻の関心が100%子どもにとられ、自分のことは気にかけてくれない
・子どもを産んだとたんに、妻が自分に厳しくなった
・いつも気を利かせて動かないと、妻がイライラする
・自由に時間とお金を使わせてもらえなくなった
・子どもは夜も昼も泣き通しで、ゆっくり休む時間もない
・夫婦で過ごす時間がない


夫がこうした気持ちを抱いてしまうのは、妻の妊娠中に、産後から始まる育児の大変さへのイメージトレーニングができていないことが原因しています。

子育ての「主役」である妻は、妊娠中から、産後に激変する生活パターンについて想像をめぐらし、気持ちの準備を始めています。でも、当事者ではない夫は、「生まれりゃ、なんとかなるだろう」とどこかのんきに構えているため、いきなり変化する新生活に気持ちがついていかないのです。

妻に気持ちを訴えようにも、「なに甘ったれたこといってるの?」と一蹴されるのを恐れ、沈黙を決め込む夫・・・。何も訴えないために、夫の心の葛藤を見抜けない妻・・・。こうしたすれ違いが、夫婦の溝を深めてしまいます。

そればかりではありません。実は、産後からセックスレスになることが、夫婦の溝の原因になることあります。それについては、次のページでみていきましょう。

次のページでは、産後からはじまるセックスレス&夫婦で育児を乗り切るためのポイントについてお話いたします>>次のページへ
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます