専門家は「立場」で物を言っている
専門家の答えは、ほとんどが「無難」に終わる |
しかし、専門家はあくまでも「立場」で物を言っている、ということを覚えておきましょう。たとえば、医師は軽い風邪でも最悪の事態を想定し、「この薬で様子を見て、○日後にまた診せてください」と言います。「たぶん鼻風邪だから、いちいち病院に連れて来なくても自然に治っちゃいますよ」「元気で熱がないんだから、神経質にならなくてもいいんじゃないですか?」とは、内心思っていても口では言えないわけです。
保育園・幼稚園でも同じです。先生に「鼻風邪でも元気なら、登園してもいいですか?」と聞いても、「そのくらい大丈夫よ!」とは言われません。「お子さんの健康を第一に考えてくださいね」となります。育児書で書かれている内容も、だいたい同じです。子どもの健康周りの情報は「無難が金」なのです。
こうした専門家の意見をマニュアルのように守っていると、仕事や家事の時間が圧迫され、自分の首を絞めてしまうことがよくあります。専門家に意見を聞くときには、状況に応じて判断する柔軟性が必要です。
おばあちゃん世代の
「子育ての常識」は約30年前のもの
「今の母親は……」---これはいちばん意味のない言葉 |
たとえば、おばあちゃん世代が子育てしていた頃は、あせも予防に「ベビーパウダー」の使用が常識でした。私も子どもの頃には、お風呂上がりにパウダーで真っ白にされていました。しかし、今では「ベビーパウダーは毛穴を塞ぐ」という理由から、病院では勧められていません。ほかにも、腹帯、抱き癖、虫封じなど、「当時の常識が今の非常識」になる子育て情報は、山ほどあります。
さらに20年~30年もたつと、子育ての記憶も曖昧になっています。特に、「新米ママとしての等身大の気持ち」は真っ先に忘れ、「今の母親は……」という距離感のある発言が目立ってきます。この世代の人の話を聞くときには、これらのことを頭に入れておくと便利です。
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