運動と健康/リハビリ・介護予防

骨密度と骨折のジャパニーズパラドクス 寝たきりを防ぐ!和的生活(2ページ目)

骨の弱ったお年寄りを脅かす「骨折」。ところが、「骨がもろい」とされているにもかかわらず、日本人の骨折率は、意外にも欧米人より低いことが明らかとなっています!。

執筆者:西川 敦子


骨を強くする意外な食べ物


フレンチパラドクスならぬ「ジャパニーズパラドクス」が生まれたのには、もうひとつ大きな背景があります。和食が持つ効果です。

和食の食材には、骨粗しょう症を予防する成分を持つものが少なくありません。その代表選手が、「納豆」。じつは納豆に含まれる「ビタミンK2」は骨を強くしてくれる、大切な栄養素なのです。

ビタミンK2は、骨の基質となるたんぱく質を変化させ、骨芽細胞による石灰化促進作用や、破骨細胞による骨吸収抑制効果を持っています。骨粗しょう症によって、背骨が潰れてしまったお年寄りは、たいてい、このビタミンk2の値が低いことがわかっています。

実際、納豆をよく食べる関東から東北地方では骨折が少なく、あまり食べないとされる関西以西では、骨折発生率が高いという報告もあります。

骨粗しょう症を防ぐ、もうひとつの食品は「豆腐」。ご存知のように、豆腐には女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれています。もちろん、本物の女性ホルモンに比べれば千分の1程度と低いものですが、習慣的に何十年も食べていれば、大きな効果を発揮することとなります。

骨は、女性ホルモンが低下することにより、もろくなっていくので、豆腐によって大豆イソフラボンを補給することは、女性の骨粗しょう症予防に、おおいによいと言えるのです。

さて、いかがでしたか。こうして見ると、「和的生活」には、まだまだよいところがたくさんありそうですね。まだ若いみなさんも、元気なお年寄りの生活に学んでみてはいかがでしょうか。

参考文献「老化の予防」がわかる本(鈴木隆雄著・技術評論社)

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