食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

花粉症にポリフェノール(2ページ目)

花粉症の季節が本格的にやってきました。花粉症を緩和する成分はいろいろ紹介されていますが、今注目されている成分の一つが「ポリフェノール」です。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

◆ポリフェノールが効果的なのはなぜ?

花粉がカラダに入ると、アレルギーを起こす物質が出ます。これが「抗原」と よばれているものです。この「抗原」と戦うのが「抗体」で、「抗原」を捕まえた時に、ヒスタミンやロイコトリエンなどの神経を刺激する物質を出します。その刺激を受けて、カラダは異物が入ったことを察知して、くしゃみ・鼻水・涙などがでます。これがアレルギー反応です。

さらにアレルギー反応により炎症が起こると、そこに大量の活性酸素(カラダを酸化させ、アレルギーだけでなくガンや動脈硬化などの生活習慣病、老化を引き起こす)が発生し、症状はさらにひどくなります。

ポリフェノールは、神経を刺激するヒスタミンなどの発生を抑える働きがあるだけでなく、活性酸素を抑制する抗酸化作用があるため、炎症を緩和すると考えられているのです。

◆野菜をたっぷりの食事と、ストレス発散も
ポリフェノールが多く含まれ、ヒスタミン抑制などに働く食べ物は、前ページに紹介しましたが、実はほとんどの野菜や果物はポリフェノールを含んでいます。というのは、ポリフェノールは、野菜などの植物が光合成によってできた色素や苦味の成分だからです。

またポリフェノールの他にも、淡色野菜に含まれるイオウ化合物、緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンなどの植物性の化学物質はファイトケミカルと呼ばれ、抗酸化作用や免疫力を高める働きがあります。ビタミンCビタミンEなどのビタミンも、活性酸素を抑える働きが知られています。

花粉症のつらい症状をできるだけ軽くするためには、ビタミンやポリフェノールを多く含む野菜をしっかり食べることを心がけましょう。そして甘いものや動物性タンパク質、脂肪をとり過ぎないように、またストレスをためないようにすることも大切です。

◆花粉を責めずに、環境改善にも目を向けましょう。
昔からスギの花粉は飛んでいます。ではなぜこんなに花粉症の人が増えたのでしょうか? 

大気汚染物質の中でも特にディーゼル排気ガスに含まれる微粒子(DEP)がスギに対する抗体の産生を増加させるという報告(アジュバント作用)が多く認められ、スギ花粉に対して過敏性が強くなることも指摘されています。

また他にも水質、土壌などの環境汚染、食生活の欧米化、農薬・添加物などによる化学物質の過剰摂取、ストレスの増大などにより、日本人の免疫力が弱くなったことも花粉症の原因と言えます。

花粉症がひどい人にとっては、スギなどのアレルゲンを恨みたい気持ちもわかります。でも、環境を改善の努力もしなければ、根源的に治癒することはできないのではないでしょうか? これは、花粉症の人もそうでない人も、考えなければならない問題だと思います。

■関連リンク
加工用トマトに注目成分(日本農業新聞)
甜茶でぶっとばせ!
凍頂烏龍茶
べにふうき(中国茶)
スギ花粉症に対する甜茶飲料の臨床的検討(サントリー)
活性酸素を食べ物で退治(食と健康)
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