マンション購入術/マンション購入費用

マンションの固定資産税とは?内容や計算方法を解説(2ページ目)

マンション購入セミナーの後、S子さんから「固定資産税」について質問を受けました。聞けば、住宅ローンの返済以外に何にどれくらいが必要かを計算しているとのこと。うーん、素晴らしい。皆様はいかがですか?(2017年11月改訂:初出:2006年)

大石 泉

執筆者:大石 泉

シングルのマンション購入ガイド

評価額は購入価格とイコールではない!?


「課税標準額」は、購入価格ではありません。両者の関係は[課税標準額<購入価格]となり、購入価格の方が高くなるのが基本です。

固定資産税額を求めようと、思わず[購入価格×1.4%]で計算された方、税額計算をする時の価格は、前頁でご紹介したとおり固定資産課税台帳に登録された価格であり、購入価格とイコールではありません。

しかも、住宅用地には課税標準額の特例措置が適用されたり、新築住宅も特例によって課税標準額が軽減されたりと、固定資産税の負担が軽くなる仕組みが設けられています。
土地の評価額は公示価格の70%が目安とされています。家屋の評価は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づき再建築価格方式により行います。これは、評価対象の家屋と同一のものを、評価時点にその場所に新築するものとした場合に、必要とされる建築費(再建築価格)を求め、これに家屋の建築後の経過年数による減価等を行って求めていく方法です。

マンションの場合は、共用土地や共用施設部分についても持分に応じて税額を負担する必要が出てきます。個別の事情が大きく影響するため、我流で計算するのではなく販売担当者へ確認することをお勧めします。新築マンションの場合は、販売時に評価額が確定していないことも多々ありますが、それでもやはり販売担当者に税額の目安を確認できると安心です。
 

自分で住むための新築マンションは税金の優遇大!?

不動産に係る税制は、自分で住むための住宅の場合、軽減措置がいくつも設けられています。固定資産税においても、住宅用土地、新築建物ともに軽減措置があります。

特に新築マンションの場合は、要件に合えば建物に対する税額が5年間半額となる優遇措置があります。すごいですね。

その要件とは、平成24年3月31日までに新築された居住用家屋であること。1戸当たりの床面積が40平方メートル以上280平方メートル以下であることなどです。対象家屋のうち、居住用として用いられている床面積が120平方メートルを超えるものは120平方メートル分に相当する部分が減額の対象です。3階建以上の中高層耐火住宅であれば、新築後5年度分が半額です。

なお、固定資産税は年額を納付する方法以外に、年4回に分割して納税する方法を選択できます。ただし、毎月払いはできませんのでご注意ください。事前に支払月を把握していないと、想定外の支出となります。同じタイミングで納税するものに都市計画税がありますので、あわせて確認をしておきましょう。
 

税金は、税金のプロに確認しよう!

固定資産税は、前項でご紹介した優遇以外にも、住宅土地や中古住宅を改修工事する場合にも優遇があります。税制の特例は自動的に割引してくれるもの以外に、自ら申請しなければ優遇を受けられないものもあります。

税金は大きなコストです。そして、個々の条件によって特例の対象になったりならなかったりします。前項の優遇も、床面積40平方メートル未満のコンパクトマンションは対象外となるなど要件があります。税金については、事前に基本情報を収集した上で、最寄りの税務署等税金のプロへ「私の場合はどうなるの」と個々具体的に確認しましょう。

税制改正も要チェックです。固定資産税は、平成29年度に大きな税制改正がありました。これまで床面積によって決まっていた高さ60メートル超える居住用超高層建築物(いわゆるタワーマンション)の固定資産税に、階建てによって税額が異なる仕組みが導入されました。同改正は、平成30年度から新たに課税されるタワーマンションについて適用されます。
 

マンション購入後の支払いは、トータルで考えよう!

住宅ローンプランニングでは、「住宅ローンが支払えるか」のみを気にして計画しがちです。ですが、購入後は住宅ローンだけでなく、管理費、修繕積立金、駐車場使用料、固定資産税、都市計画税など、様々な諸費用の支払が発生します。しかもこれらは、住宅ローンを完済後も支払いが続くものばかり。現在も将来も家計に無理のない資金計画&返済計画のポイントは、トータルコストを意識することです。自分らしいマンションライフのために、家計管理にもしっかりと取り組んでいきましょう。


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