節税対策/その他の税金の節税対策

消費税の節税(原則課税)(3ページ目)

消費税の節税は、その仕組みを理解して事前にしっかりと準備してから実行することが大事です。今回は、原則課税の節税について、課税の仕組みと合わせてご説明していきます。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

輸出免税を活用する

輸出売上の場合、消費税がかかりません

輸出売上の場合、消費税はかかりません

最初に消費税の仕組みをご紹介しましたが、その中に免税売上というものがありました。これは輸出売上を指します。同じ売上高でも、国内売上であれば消費税がかかり、輸出売上なら消費税はかかりません。消費税のことだけを考えると、輸出売上の方が有利(?)というわけです。もちろん、だからといって急に売上先を海外にシフトするというのは難しいですが、こういう仕組みになっていることを知っておくことは非常に大切です。

設備投資は時期が重要

消費税の節税を考える上で、大きな要素となるのが設備投資です。

設備投資をするときには、投資金額と一緒に5%の消費税を負担しています。原則課税の場合、この消費税は仕入税額控除の対象になりますので、大きな節税効果が期待できます。設備投資額が大きければ、消費税が還付になる可能性もあります。

設備投資を消費税節税に活用しようとした場合、大事なのは設備投資の時期です。例えば、資本金1,000万円未満で法人を設立した場合、当初2年間は免税事業者になります。この時期に多額の設備投資をしたとしても、免税事業者のままなら消費税の節税にはなりません。免税事業者というのは、納税が免税されるかわりに、消費税を還付してもらうこともできないからです。

こういう場合には、あらかじめ課税事業者選択届出書を提出しておけば、消費税の還付を受けることができます。ただし、届出書は事業年度の開始前に提出しないといけません(設立事業年度を除く)。また課税事業者は1度選択すると、最低2年間は継続しなければなりませんので、選択にあたっては慎重なシミュレーションが必要です。

課税事業者を選択せずに、設備投資を消費税節税に有効活用するためには、課税事業者となる第3期以降に設備投資をずらす、ということも方法の1つです。

なお、設備投資というのは購入だけではなく、リースも含みます。大型のリースを組む場合には、リース総額の5%をリース契約した事業年度の課税仕入とすることができます。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます