節税対策/その他の税金の節税対策

消費税の節税(簡易課税)(2ページ目)

消費税の計算方法には原則課税と簡易課税があります。今回は簡易課税の節税について、課税の仕組みと合わせてご説明していきます。

今村 仁

今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策 ガイド

中小企業の節税専門家として執筆・メディア出演多数。税理士、宅地建物取引主任者、CFP。「3か月でできる決算対策完全ガイド」など多数執筆。

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節税のポイント 課税売上高を5,000万円以下にする

2年前の事業年度の課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者となります。ただし、新たに資本金1,000万円以上で設立した法人については2年前の事業年度はありませんが、第1期目から課税事業者となります。

2年前の事業年度の課税売上高が5,000万円以下の場合には、原則課税か簡易課税かを選択できます(選択は会社ごとに行います)。簡易課税を選択する場合には、その適用を受けようとする事業年度の初日の前日(設立事業年度の場合にはその事業年度中)に所轄の税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しなければなりません。また。簡易課税をいったん選択すると法律により2年間は変更できません。

さて、簡易課税を選択したほうが明らかに得なことが多い業種があります。例えば経費のほとんどが人件費(不課税取引)で構成され、課税仕入が少ない業種です。

A社(ソフトウエア作成会社)課税売上4,725万円、仕入及び経費4,000万円(うち人件費2,000万円、課税仕入となる仕入及び経費1,575万円、不課税となる経費425万円)をみなし仕入率50%とすると、

原則課税の場合は
4,725万円×5/105-1,575万円×5/105=150万円

簡易課税の場合は
4,725万円×5/105×50%=112.5万円

となり、簡易課税を選択すれば納税額が少なくなります。

原則課税と簡易課税との別れ目は「2年前の事業年度の課税売上高が5,000万円以下かどうか」です。簡易課税を選択するほうが明らかに有利な場合で課税売上高が5,000万円をギリギリ超えそうな予想であれば、脱税ということではなく延ばせる売上は先に延ばして、簡易課税の適用を受けられるようにするのも大きな節税対策となります。

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