コンサルティング業界の新しい動き
ERP以外にもここ10年で、コンサルティング会社のサービスは多種多様になり、大きく幅が広がりました。とくにここ数年で市場が大きく伸びているのは次の4つの分野でしょう。1.再生コンサルティング
企業再生がニュースで取り上げられることが多くなりました。企業再生分野が大きな成長を見せ、多くの人材が外資系の企業再生ファンドや、企業再生コンサルティングの会社に移籍しました。
代表的な会社には、リヴァンプ、経営共創基盤があります。
2.財務アドバイザリー
日本におけるM&A(企業の合併と買収)の増加により、M&Aに関わる財務アドバイスを専門にする財務アドバイザリーが大きく成長しました。
代表的な会社には、デロイトトーマツFAS、PWCアドバイザリー、E&Yトランザクション・アドバイザリー・サービスがあります。
3.人事・組織
企業組織が複雑になるにつれ、人事組織のコンサルティング需要が増えました。対象も従来からの人事制度コンサルのほか、社内のモチベーション改革や人材育成といったテーマが大きく市場を広げました。
代表的な会社には、リンクアンドモチベーションがあります。
4.BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)
BPOは企業グループ内の人事や総務の仕事を一括してまとめて外部に依託することで、本業に資源を集中させる経営革新手法です。
代表的な会社には、アクセンチュア、IBMビジネスコンサルティングがあります。
コンサルティング業界これからの動き
2009年リーマンショック以降の不況は、コンサルティング業界にも影を落としています。どのファームも採用を押さえるなど慎重な動きが続いていますが、長期的にはコンサルティング業界は引き続き成長していくものと考えられます。企業経営が複雑になり、国境をまたぐグローバルな動きが加速するなか、企業はコンサルティング会社の助けなしには、スピードある経営を実現できないからです。なかでも、今後の動きとして注目されているは、BPO(Business Process Outsourcing)サービスの市場でしょう。BPOとは企業の内部の業務を一括して外部に委託してしまう手法で、従来のIT分野のBPOだけではなく、人事・経理、営業や物流・在庫管理までもBPOの対象となってきています。BPO分野は、アクセンチュアやIBMビジネスコンサルティグサービスをはじめとして、多くの企業が力を入れている分野。欧米での市場に比べるとまだまだ日本の市場は小さいですが、今後BPO市場が大きく注目を浴びていくのは間違いないといえるでしょう。