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人の話なんか聞くな!

大変な時代だからこそ、自分の信念を貫く生き方が求められている。人の話に答を求めてはいけない。答はすべて自分の中にある。人の話に惑わされている場合ではないぞ!

執筆者:藤井 孝一


 
 著 者: 堀場 雅夫
 体 裁: 単行本: 265 p
 サイズ: 182 x 128
 出版社: ダイヤモンド社
 ISBN : 4478702659
 発行日: 2003/06/20
  
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人の言ったことに盲従するな!

本書では、タイトル通り「人の話を聞くこと」に否定的スタンスをとっています。ただ誤解を避けるために補足すると、ここで言う「話を聞くな」は「耳をふさげ」という意味ではありません。

耳からできるだけたくさんの情報を仕入れることは大事なことで、どんどんやるべきです。やってはいけないのは「人の言ったことに盲従する」ことです。これは考えることの放棄だからです。

著者は、ベンチャー育成に力を入れる経営者として知られています。起業は相変わらず「西高東低」の傾向が強く、特にいわゆるベンチャー型起業では京都発ベンチャーの成功率が高いと言われています。

その理由を、京都出身の著者は本文の中で「京都の人は子供のころから本物に囲まれて育つため、本物を見る目を養われているからだ」と、他地域の人には身もフタもないことを言っています。

確かに、一理あるかもしれません。加えて京都出身の経営者には、著者のように積極的に後進を育てる気概に溢れた方が多のです。他にも有名なところでは、稲盛和夫氏などがいます。

京都発ベンチャーの躍進のヒミツは?

昔から京都では、財力のある旦那衆が「これは」という若者に、出世払いで経済的な支援はじめ、物心両面で応援する風土がありました。だから起業家が育ちやすいのです。

アメリカでベンチャーを支えているのは、実は裕福な個人投資家による投資、いわゆるエンジェル投資です。日本でも金融機関や大企業があてにならない今、これを盛り上げようという動きが盛んです。

これをずっと前からやっていたのが、京都の旦那衆です。それが今の京都の、起業家を育成する風土、そして京都発ベンチャーの躍進につながっているのです。


まずは行動、それが一番

本書では、タイトル通り「人の話を聞くこと」に否定的スタンスをとっています。ただ、誤解を避けるために補足すると、ここで言う「話を聞くな」は「耳をふさげ」という意味ではありません。

耳からできるだけたくさんの情報を仕入れることは大事なことで、どんどんやるべきです。やってはいけないのは「人の言ったことに盲従する」ことです。これは自ら考えることを放棄することです。

私も時々、自分でロクに考えもせず、何から何まで人に教えてもらいたがる人に会い、驚かされます。私は仕事柄、起業したいという人にアドバイスをすることが多いのですが、時々「何から何まで全部教えて欲しい」という人がいます。

そういう人は、とにかく成功事例を知りたがり、また彼らがどうやったのか、できるだけ詳しく教えて欲しいと言います。しかし成功事例ばかり聞いて、その通りにやろうとしても同じようにはできません。また仮にできたとしても、結果が同じようにうまくいく事は稀です。

とにかく動き出す、走りながら考える

私は、やりたいことを、やりたいようにできるのが起業のいいところだと思います。だから「何でもかんでも手取足とり教えてくれ」という人には「なら、なぜ起業するの?」と言いたくなります。

それでもどうしても起業したいなら、フランチャイズに参加したらいいと思います。彼らは手取り足取り教えてくれます。

一方、自分で考えることにこだわるあまり、考えてばかりでいつまでも動けない人がいます。これはこれで困ります。いつまでも考えてばかりいて、動けないくらいなら、人の真似でも人の言うなりでもいいから、とにかく動くほうが、よほどマシです。

「まなぶ(学ぶ)」の語源は「まねぶ(真似ぶ)」であると言われています。最初は真似でも、動き出して、やっているうちに自分ならではの何かが見つかるものです。

「とにかく動き出す、走りながら考える」起業する際にも、日常のビジネスでも、一番大事なことは、これに尽きると思います。

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