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戦わずして勝つ成功法則

今回は起業家のサクセスストーリーの古典から、あなたの週末起業に役立ちそうな「学び」を抜き出し、紹介しましょう。ライブドアに見るような、今どきの起業からは想像もつかない成功法則が見えてきます!

執筆者:藤井 孝一


古今東西を問わず、大起業家の姿勢には学ぶべきものが数多くあります。
今回は起業家のサクセスストーリーの古典から、あなたの週末起業に役立ちそうな「学び」を抜き出し、紹介してみましょう。ライブドアに見るような、今どきの起業からは想像もつかない成功法則が見えてきます!



共存共栄の関係が成功をつくる


マクドナルドの立役者、レイ・クロックは、ロサンゼルスから80キロ離れたサンバナディーノという住宅街の小さなドライブインを、世界のマクドナルドに育てた仕掛け人です。彼はもともとミキサーのセールスマンでしたが、その取引先の中にユニークな店がありました。それが「マクドナルド」でした。

当時はまだ田舎のドライブインでしたが、すでに調理手順の無駄をいっさいはぶき、お客さん1人あたり、わずか15秒でさばく仕組みを構築していました。しかも味は抜群で、店はいつも清潔、にもかかわらず低価格という店を実現していたのです。レイ・クロックは、「これは絶対に全国に広がる」と確信したそうです。そして、全国展開の代理人をマクドナルド兄弟に申し出ました。これがマクドナルド快進撃の始まりです。

その後、マクドナルドはフランチャイズ開始から、わずか5年で店舗数250店を超えるという、すさまじいスピードで増えていきます。もちろん当時から外食のフランチャイズはありましたが、これほど急激に拡大した店はありませんでした。いったいなぜマクドナルドだけが、このように店舗数を増やすことができたのでしょうか。

もちろん最初にあげるべき要素は、卓抜した調理と運営の仕組みです。しかし忘れてはならない大事な要素がもう一つありました。それはフランチャイズ店との契約条件です。マクドナルドの契約条件は、フランチャイズ店に優しい内容だったのです。実は、当時の外食チェーンフランチャイザーの多くが、加盟店に高額な加盟料を要求していました。また備品なども市場価格よりも高い値段で売りつけ、利益を得ていたといいます。

しかしマクドナルドは、あえて加盟料を当時では考えられないほどの低価格に抑えました。また備品を強制的に卸すことも、納入業者からリベートを取ることもしませんでした。代わりに加盟店からわずかなロイヤリティをもらい、利益を上げることにしました。

その根底にあるのが、「フランチャイズ店の成功こそが自分たちの成功だ」という考え方です。彼らは法外な加盟料を徴収して一時的にもうけるよりも、フラチャイジーと共存共栄の関係をつくったほうが、長きにわたる繁栄につながると考えたのです。この方法が功を奏し、急速に事業を成功させていったのです。

大企業の論理は通用しない


週末起業家も、誰かと組んで始めることを推奨します。しかし、それが相手を搾り取るしくみの上に成り立っていると、絶対にうまくいきません。自分のもうけが誰かの犠牲のもとに成り立つモデルでは、やがて破綻するからです。また、こういう人のところには、人が寄りつきません。人が寄りつかないというのは、経営者にとって致命的です。

ときどき「ビジネスの交渉とは、1円でも多く値切ること」と勘違いしている人がいます。特に、大企業出身の人に、この傾向が強いようです。たしかに大企業の担当者が出入りの業者を使うときは、できるだけたたくのが当たり前という面があります。それを自分の交渉手腕として上司に誇示すれば、社内で自分の価値があがるからかも知れません。

しかしこの論理を週末起業のような、小さなビジネスで実践すると、いずれビジネスの世界から追放されます。皆さんには、ぜひ週末起業家同士が共存共栄できるモデルを作っていただき、互いに富を分かち合うようにしていただきたいと思います。

競争せずに世界一になったウォルマート


サム・ウォルトンは、アメリカの小売業「ウォルマート」を一代で築き上げた人物です。彼はアーカンソー州の片田舎ではじめたバラエティショップを世界有数の小売業に育て上げ、本人もアメリカを代表する大富豪になりました。

彼の挑戦は、小売業界の常識をことごとく破壊し、新しい価値観を創造することでした。たとえば、メーカーの不良品を買い取り、目玉商品として激安で販売します。これは今ではスーパーやディスカウントショップがごくふつうに行っていることですが、当時の商習慣ではタブーとされていて、誰も手を出さなかったそうです。

また、彼が出店先に選んだのは、いつも都会から離れた小さな町でした。常識で考えれば、顧客の多い都会のほうが、より多くの商品が売れそうです。しかし、彼はその常識も否定、あえて小さな町を出店場所に選びました。理由は、小さな町ならライバルが参入しないからです。ウォルトンは低価格を実現するために、経費をぎりぎりまで削っていましたから、大手が資本にものを言わせて値引き競争を始めれば、すぐに経営がもたなくなります。そのため、あえて大手の小売業が出店しない田舎ばかりを選んだのです。

週末起業家なら競合は避けよ


競争を避けねばならないのは、週末起業家も同じです。週末起業は、会社を辞めず、お金をかけない起業ですから、時間とお金の制約があります。そんな状態で、ビジネスを専業にする起業家とガチンコ勝負をしても勝てません。

また、競争がない分野なら、リピーターがつきやすくなります。他で買えないのですから、当然です。週末起業の成功事例を見ても、手作り品や輸入品、プレミアム品など、競争相手のいない商材を扱うことが、成功の秘訣であることがわかるはずです。

さらに、地域で活動すれば、地元密着をウリにできます。地方にいると、それを弱点と考えがちですが、武器にもなりえるのです。ウォルトンも、地元密着をアピールするために、地元のロータリークラブや、商工会議所の会長などを務めました。

特に、コンサルタントやアドバイザーなどの属人的な仕事は、地域密着を全面に打ち出しやすい仕事です。なぜならいくら都心に第一人者がいても、その人が地方に出向くには限界があるからです。あなたがやりたいことがありながら、すでに成功者がいるという理由であきらめているなら、地元でやってみることを検討したら良いと思います。


ゼロから事業を起こした起業家の軌跡には、本業では知り得ない教訓があふれています。彼らのサクセスストーリーにぜひ学んでみましょう。
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