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30歳からの成長戦略を学ぶ【3】(4ページ目)

山本真司さんに学ぶ「30歳からの成長戦略」、第3回目は、“現在の自分”をどうやって変えていけばよいのか。どうすれば成長軌道へシフトできるのか。そこのところへ細やかなアドバイスを沢山いただきました。

執筆者:塚田 祐子

成長するための思考法

それでは、お話を(成長戦略マトリックスの)縦軸の方へ移します。学ぶべきことは、創造力を磨くこと。そして、経営者人材の実力を身につけることでした。仕事を創造的な活動にしていくために、欠かせない思考法についてお話しておきたいと思います。

標準スキルと言われる論理的思考法には、大きな欠点があります。経営は人間の営みそのものです。ですから、リクツだけで簡単に結論づけられるものでは、本来ないわけです。論理的思考法は、そもそも人間の感情を対象から外して考える、科学的アプローチであるため、自ずと限界が出てきます。

■論理的思考法の3つの限界
1.現実的でない回答の可能性
2.面白くない回答しか出せない可能性
3.他人が頭で理解できても、心で理解してくれない可能性

ただ、論理的に導き出した答えには、説得力があります。データの裏づけをもって理詰めでせまられたら、聞いている方は反論の余地がありません。しかし、論理だけでは、人を動かせないことも事実です。

一方、人間の直感に基づく全体思考法というのがあります。

■カリスマ経営者の全体思考法
1.現場主義により現実的な回答が得られる
2.直感により創造性が発揮される
3.欠点は、至った結論の理由を他者へロジカルに説明できない

論理的思考法が左脳的であるなら、全体的思考法は右脳的です。しかし、どちらの思考法にもメリット、デメリットがあります。そこで、2つの思考法を併せのむ「レゾナンス思考法」に切り換えることが、次の成長ステップとなります。

レゾナンス思考法図でご説明しましょう。二本の平行線の上が、ロジカル・シンキング、論理的思考法です。下の線が、全体思考法です。真ん中の直線は、両方を足して二で割った直線です。

例えば、“こちらが立てばあちらが立たない”というようなことがよくあります。そういう場合は、両極にある考えを頭に入れて、どちらか片方に軸足を置いて一度結論を出します。そして、その結論を、もう一方の軸足に力点を移して議論、検証するという手続きを踏み、擦り合わせを繰り返していきます。これを、「着眼両極・着手単極法」と呼んでいます。

やってはいけないことは、足して2で割る妥協的な方法です。相矛盾する2つのものの間を狙うことから、結局どちらの軸足にも立てず思考が停滞してしまいます。

この発想は、あらゆるビジネスシーンで役立ちます。全ての経営者は毎日、相対立し矛盾するテーマに直面して悩み、戦っているからです。「レゾナンス思考法」は、まさに矛盾を「併せのむ」方法論で、いまから実践して学んでおいてほしいと思います。

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