どん底からの成功法則
著 者: 堀之内九一郎 (著) 体 裁: 単行本:191p
サイズ(cm): 19
出版社: サンマーク出版
ISBN : 4763195395
発行日: 2004/02/25
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『失敗し、「どん底」にいる人こそ、成功へ到達する道順を知ることができる。挫折し「人生のどん底だ」と思っている人にこそ、成功へのチャンスが舞い降りる』と語る著者。そんなホームレスから年商102億円の社長になった堀之内九一郎氏が明かす「どん底からの成功法則」。これは彼が半生をかけて、体得した「仕事と人生の決算報告書」でもある。読めば、前向きな気持ちになるはずだ。
●今週の選書について
本書はご存じ「マネーの虎」(日本テレビ系)の虎の1人で、生活創庫社長 堀之内九一氏の著書です。1億円近い負債を抱えホームレスに転落、その後年商102億円の社長として復活した人物です。
正直に言うと著名人の本ということであまり期待していませんでした。また借金踏み倒しなどのエピソードを知っていましたので、起業家に投資をする姿には反感さえ覚えました。
しかし本書を読んでみると、学ぶところが多かったのも事実です。特に、どん底から復活するために必要なこととして、まず自分の置かれた状況を直視すること、そしてそこに希望の光を見つけることということに強く共感しました。
私は、成功するために大事なことは、成功するまで諦めないことだと思います。どれほど失敗しても、成功するまでやれば、それは失敗ではなく試行錯誤の過程です。株式投資なら、損を確定する損切りは大事ですが、自分の失敗を確定させてはいけません。
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とは言え、自分の置かれた状況を直視し、諦めないことは、言うほど簡単ではありません。私自身を振返ってみても、何度もダメな自分に目を背けましたし、諦めたことも一つや二つではありません。
まして著者のように、すべてを失い、ホームレスになってしまったら…。あなたはそれでも望みを持ち続けられますか?私には、自信がありません。
しかし、著者はそれを成し遂げました。こういう人から「どん底の冷たさを知れ」「望みを捨てるな」と言うと俄然、迫力があります。今落ち込んでいる方なら、間違いなく元気になりますし、すでにやる気満々の方も、さらにパワーがもらえるはずです。一読をお勧めします。
●ビジネスには試行錯誤は欠かせない
他にも、本書には共感できるところがたくさんありました。中でも、「プールの水をおちょこで汲み出す」たとえ話には、共感しました。このたとえ話の趣旨は、すぐに行動せよ、中途半端でもいいから、できるところからやってみろそうすれば道が拓けるということです。
本当にその通りだと思います。ビジネスの世界でよくあるのが、助け船が現われることです。自分には無理だと思ったことでもやってみると、それがきっかけで助け船が現われ、ついに実現してしまったと言うことは、あちこちでおきることです。
私も、最初の本を書くまでは出版の予定もないうちから一生懸命、原稿を書いていました。書き始めたときには、本を書きたいという思いだけで、出版のあても出版社とのつてもありませんでした。
端から見れば、出版の可能性も予定もない書籍の原稿を、せっせと書くことは、まさにおちょこでプールの水をかき出すような無謀な行為に写ったでしょう。
ところが書いているうちに、興味を持った人が現われ、最後には出版の話が実現しました。結局、原稿ができあがったときには、おかげさまでその原稿は日の目を見ることができたのです。
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ビジネスには試行錯誤は欠かせません。特に起業は前例のないことに挑戦するのがふつうですから、試行錯誤が不可欠になります。
だから、会社で減点主義で評価されてきた人の中には、起業できない人が多いようです。こういう人は、起業にあたっても、万全を期さねば動けないのです。中には何年もプランを書いている人がいます。こういう人が起業する日は、永遠に来ないと思います。
もちろん、失敗しても、再起不能にならないことが重要です。そのためには自分が取れるリスクの許容範囲を知ること、すなわち最悪の事態を想定することです。
そして致命的なリスクでないことなら、失敗を恐れずどんどん冒険することです。その過程で、どんどん手直し、軌道修正、何でもすればいいのです。これが本当の成功の秘訣だと思います。
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