【1】

日本は世界の多くの国の中でも経済資源にすこぶる恵まれている。例えば、世界一の個人金融資産、良質な労働力、豊かな土地、工業技術などである。

その日本がバブル以降低迷している。多くの国もここ10数年の間に深刻な経済危機に陥ったが復活した。日本も抜本的改革でこれを打ち破る必要がある。

この改革が厳しいのは「後始末型の構造改革」だからだ。当然痛みが伴う。それに耐えるためには「その後は良くなる」という明るい展望が必要だ。

新しい事業機会が開ける可能性があればこそ、企業も投資をし、人を雇う。

これにより構造改革で喪失する雇用を補って余りある雇用が生まれる。
 
【2】

アメリカを始めとする先進成熟国では、製造業が国際競争の中でスリムになるのと対照的に、サービス産業の目覚しい発展と雇用増が著しい。

この動きを戦略的に加速し、多様なサービスを提供しつつ、雇用を創出、所得を増やし、経済 を活性化する。これが“明るい構造改革”である。

これまで我々は、人や物、社会的資産を量的に蓄積する努力をし成果をあげた。今後これらを有効活用するサービスの発展を目指し規制改革を行う。

また働く人を柔軟に再配置する必要がある。そのための労働政策を行う。

これにより雇用を530万人創出する、これが“雇用創出型の構造改革”だ。

 【3】

日本は資産の活用が下手だ。例えば世界一の貯蓄国なのに資産運用できない。

人材の活用でも女性の活用は不十分だ。豊かな自然環境も活用できていない。

今後はこれまでのような資産の「量の拡大」でなく「質と価値の向上」が重要、これを促すような産業を伸ばしていく必要がある。

例えば生活者のあらゆる求めに応え、かゆいところに手が届くサービスを提供するコンシェルジュのような仕事がその一例だ。

他にも生涯教育時代を支援する教育サービス、企業のIT化を支援する企業、団体向けのサービスが考えられる。

 【4】

日本で消費が伸びないのは、人々が将来に不安を感じているからである。その不安の最大の要因は住宅問題である。

日本では個人住宅が中古として売れない。そのため、資本にならない。だから作っては壊している。貴重な資源を無駄にし環境に悪影響を及ぼしている。

住宅を何世代も使えるような社会資本に変える必要がある。そのためには住宅の評価システムが必要である。また流通構造も変える必要がある。

これに関連した産業、例えば不動産を評価する産業、リニューアルする産業、中古住宅産業などで54万人の雇用が創出できる見込みだ。

【5】
 
他にも、生活者の視点に立てば様々な産業が創出できる。例えば、子育てサービスが充実すれば、女性の労働力を有効活用できM字カーブが解消する。

さらに高齢者ケアサービス、医療サービス、司法関連のサービス、環境サービスなど現在供給が不十分で未熟な産業がいくつかある。

こうしたサービス産業を振興すれば雇用が創出する。我々はこれを阻害する法律や税制などを変えるなど様々な規制改革を進める必要がある。

また雇用改革も必要である。特に、転職や失業が絶えず進行しながら雇用構造の転換が進むような社会を作るような改革が必要である。
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