起業・会社設立のノウハウ

副業と起業の最大の違いとは?

個人の技能を切り売りする単なる副業と、ビジネスとしての発展性を追求する週末起業。その違いとは、はたしてどんなところにあるのでしょうか。

執筆者:藤井 孝一


あくまで自立したうえでおこなうビジネスこそ「週末起業」なのです
今回は、某電気関係の会社で海外営業のお仕事をしながらインターネット翻訳関係のビジネスを営む『翻訳Aプラス』をご紹介します。個人の技能を切り売りする単なる副業と、ビジネスとしての発展性を追求する週末起業はどう異なるのか、そのニュアンスの違いを感じ取ってください。



藤井:具体的にはどのようなビジネスなんですか?

翻訳Aプラスさん:インターネット専業の翻訳仲介業です。あえて“仲介業”と言うのは、請けた仕事を自ら翻訳せず、外注、特に海外に在住するバイリンガルの方に委託しているからです。もちろん、私も仕事柄、英文和訳と和文英訳の腕に覚えはありますよ。しかし、その技能を生かしてアルバイトを個人的にこなしたところで、社会的な発信力はありません。ビジネスとしての発展性もない。それよりも、小さくとも一つの事業体として、社会に何らかのメリットを還元しながら、私とご縁のある方と共に成長していく…そんな働きかけをやってみたかったんです。

海外の方に頼むと、翻訳料の内外価格差があるため、我が社は一般より料金を格安にできます。こういったら何ですが、手堅い品質の割に、おそらく日本一の低価格じゃないでしょうか。先日もあるお客さんに「あの品質で、あの価格で大丈夫なんですか?」と言われました。また、いろんな国にネットワークを作っているので、主要8言語を中心に、それ以外の言語も対応することが可能です。
 
藤井:お客様はどんな方が中心ですか?

翻訳Aプラスさん:個人から企業、週末起業家まで幅広く、内容も海外への手紙、Eメールの翻訳、MBAなどの取得のための入学推薦状、論文、企業のマニュアル、仕様書等の英訳、IT関連の英訳、和訳など多岐に渡ります。最近は時代を反映して、ホームページのコンテンツの英訳や和訳も多くなっています。

藤井:週末起業を始めたきっかけは何ですか?

翻訳Aプラスさん:何年も前から「週末の余った時間に何かやりたい」と考えていました。特に子どもも小学生になって手がかからなくなり、自由な時間が出てきました。そんな折りに週末起業の考え方を知り、「これだ!」と思いました。

そしてふと、海外に在住するバイリンガルの友人たちに翻訳を委託するビジネスを思いついたんです。もともと日本に留学している多くの外国人と親交があり、彼らが帰国した後もお互いに訪問しあったり、クリスマスカードのやり取りをしたりして、おつきあいを続けていましたからね。
 
藤井:翻訳の仕事はどのように見つけてくるのですか?

翻訳Aプラスさん:基本的にはホームページ経由です。もちろん検索エンジン経由だけでは、なかなか見てもらえません。そこで楽天ビジネスなどの、いわゆるマッチングサイトを利用しています。出店は有料ですが、結果的にはそこからの問い合わせ・受注が大半を占めているので、元は取っています。他にご紹介や口コミ、週末起業の仲間からの引き合いも増えています。需要がありそうな企業に電話やDMを送ることもありますが、私の手持ち時間が限られていることもあり、あまり手ごたえは得られていません。
 
藤井:肝心のホームページは、自分で作られたのですか?

翻訳Aプラスさん:いえ。他の週末起業家に制作を依頼しました。最初、自分で立ち上げようとホームページビルダーを買ってトライしましたが、どうも納得できるものができずに困りました。そこで、週末起業でホームページの作成をしている企業にお願いすることにしました。すっきりしたサイトが短時間でできて価格も安く、「さすが餅は餅屋」と思いました。

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