その前にロングテール理論と対比されるパレートの法則についてみていきましょう。
パレートの法則とは
パレートの法則は別名、「2:8の法則」とも呼ばれる経験則で、マーケティングでよく使われています。ロイヤルカスタマーとして囲い込み固定客に |
お店の売上を分析すると「全顧客の20%が売上の80%を占めている」ことがよくあります。お店としては20%の顧客を囲い込み、ロイヤルカスタマーとして固定客にしていかなければなりません。
例えば、プラチナ、ゴールド、シルバーなどの顧客別会員カードを発行し、プラチナカードの特典を他と差別化します。
またロイヤルカスタマーだけしか入店できない特別の販売日をもうけたり、誕生日には特別なクーポン券を渡すことでロイヤルカスタマー作りをしていきます。
銀行が取引額の多い顧客を応接室に通し、支店長が対応するのと同じです。
顧客数が少なければ顧客カードレベルで対応できますが、顧客数が多くなるにつれ、顧客管理システムを導入したり、きめ細かな対応をするためにCRM(Customer Relationship Management:顧客との良好な関係を保つこと)システムを導入します。
ネットの世界で何が起こったのか?
パレートの法則は分かりやすく、皆が経験的に感じていることでもあり各分野で使われています。死に筋商品をはずし売れ筋をそろえる |
コンビニの店舗面積は大体30坪ほどで、ここに約3000点の商品が並びます。棚に並べられる商品点数が限られているためにPOSデータを使って、売れ行きの悪い商品を死に筋商品として把握します。
死に筋商品を棚からはずして別の商品に入れ替え、売り上げに貢献する売れ筋商品を発掘していかなければなりません。毎週、約200種類の商品が入れ替わります。
これは本屋でも同じです。店舗面積から並べられる本の点数が決まります。売り上げを伸ばすためには、売れない本を返本し、よく売れる本を置いて商品回転率を上げなければなりません。
そこでハリーポッターなどのベストセラーを取次からいかに配本してもらうか仕入れの勝負になってきます。つまりパレートの法則が前提です。
ところが、本のネット販売が始まるようになり事情が変わってきました。