首都圏662駅で自動改札機がダウン
首都圏662駅で自動改札機がダウン |
始発電車の運転前に自動改札機の電源が入れましたが4千台以上の自動改札機が立ち上がらず自動停止。通勤ラッシュ時を迎えるため、首都圏の鉄道各社では自動改札機を素通りさせ混乱を回避することを決定しました。
貼り紙を掲示し、駅員が改札前で拡声機で「そのままお通り下さい」と呼びかけました。中には貼り紙に気づかずSuica定期券を自動改札機にかざして首をかしげる人も。
電車の運行には問題がなく大きな混乱はありませんでした。SuicaやPasmoを使った乗客の中には駅に入る時は素通りで自動改札機を通りましたが、降りる駅では自動改札機が復旧していたため有人の改札に並ぶことになり学校や会社に遅刻する人が出ました。
鉄道会社では自動改札機とサーバを結ぶ回線を切り、ネットワークから自動改札機を切り離して再起動することで復旧。午前10時頃には各社とも復旧しましたが、約260万人に影響が出るトラブルになりました。今回のシステムトラブルは複数の鉄道会社にまたがる初の自動改札機トラブルになりました。
自動改札機は単独で動く
自動改札機は単独で動く |
トラブルの原因の前に自動改札機についてみてみましょう。
自動改札機が接続されているのが各駅に設置されたサーバで、駅サーバはSuica、Pasmoの情報管理を行うセンターサーバに接続されています。自動改札機でSuicaやPasomのICカード乗降記録を読み取り、駅サーバを通じてセンターサーバに送られます。
ICカードから運賃を引き落としたりする処理はサーバを必要とせず自動改札機単独で行うことができます。トラブルが発生した12日、サーバとの通信に不具合があると判断した日本信号からの連絡で駅サーバから自動改札機を切り離し、自動改札機を単独起動することで復旧させました。
ではSuica、Pasmoのセンターサーバで何をやっているかと言うと、鉄道会社間の決済を行っています。
例えば鉄道会社が相互乗り入れしている電車に乗った乗客がB社の自動改札機で1,000円引き落とされた場合、内訳がA社分が700円、B社分が300円とするとB社からA社に700円を支払うことになります。これだけでなく定期券のケースなど様々な取引ケースがあります。もちろん取引ごとにチマチマ決済するのでなく、個々の取引を集計し、最終的にB社からA社にいくら払うかを決めています。
自動改札機からは駅サーバを通じてセンターサーバにICカードの乗降記録などが一定時間ごとに送信されます。自動改札機には最大72時間分(3日分)のデーターが保存されるようになっています。