現行の業務フローを分析し、新しい業務フローを考える
帳票や業務手順書などから現行の業務フローを分析する
業務の見直しで「ゼロから出発しなさい」とよく言われますが、施設や設備などを持っていると、どうしてもそのことが気になり新しい発想が出てきません。秀吉の場合も、最初は合理的な一括納入システムが時代の変遷によって、あわなくなっていたようです。
おそらく村からも納入頻度を変えるような提案が城側にあったと思いますが、城に薪用の蔵を作ってしまうと、蔵を前提とした業務の流れが出来上がってしまいます。こうなると前例踏襲が前提となり変更するのは困難です。
今までと同じ仕事のやり方を支援するためにITを導入しても、意味がありません。まず、企業をとりまく環境を見すえて、業務フローを改善し、新しい業務フローを実現するためにITを導入することが重要です。
業務の流れを一括納入から小ロット多頻度配送に変更する
蔵への納入を一括から小ロット多頻度に変更
そして多頻度配送に対応できるように業務の流れを見直しました。 検品、保管、また蔵出しなどの業務がスムーズに流れるようにし、蔵への入と出をしっかり帳簿で管理し、在庫が把握できるようにしました。今までは納入が集中し、蔵への入庫で手が足らず、在庫管理がおざなりでしたが、これで不必要な薪の購入をしなくてすみます。
多頻度配送により在庫量が減り、目視で量が一目瞭然に分かるようにもなりました。量が減ってくると薪を取りに来た足軽などは節約して薪を使い出すという効果が出てきました。
また薪の納入がほぼ毎日になりましたので、作業量が平準化されました。今までは納入が集中した時や蔵の整理をする人員を確保していましたが、平準化により、人手が余ったため鉄砲隊などへ新たに配置することができました。
納入する村の方も余計な蔵を持たずにすみ、また配送の手間も以前より楽になりましたので、納入価格をその分、下げてくれました。
新しい業務フローにあわせてITを導入する
仕事の流れを見直すことで薪代が半分になる
また蔵では棚卸しが必要ですが在庫が膨大になると、棚卸しが大変な作業になり、また劣化も起こります。蔵を使わなくてもすむよう業務の流れを見直したことで目視チェックですみ、PDCAが回る形になりました。
IT導入では、まず業務の見直しをし、見直し後の業務を支援するために導入するという順番を心がけましょう。
秀吉が薪奉行になり、薪の使用量と納入価格が減少し、薪代は昨年の半分になりました。
秀吉:「殿。お約束通り、やりました。」
織田信長:「猿!ようやった!」
関連ガイド記事
蒲生氏郷の国替え 秘策ペアプログラミング島津征伐 三成に学ぶ会計システム導入
信長、小牧城に居城を移転 攻めのIT導入