企業のIT活用/セキュリティ/暗号化

個人情報保護法の準備 利用目的の同意(3ページ目)

個人情報取扱事業者が本人から個人情報を収集する場合あらかじめ利用目的を本人に通知する必要があります。この利用目的ですがなかなか一筋縄ではいきません。第三者への提供等みていきましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

利用目的の変更

利用目的を変更する場合は、本人への通知と同意が必要となります。ただし本人が想定できうる範囲内の変更ならばOKです。

例えば「新商品案内をメールで行う」とホームページに掲載していましたが、「郵便でお知らせする」を付け加えるような変更は許容の範囲になっています。

また合併、営業譲渡、分社等を行った場合は、今まで他社であった個人情報を扱うことになります。この場合は承継前の利用目的の範囲内で取り扱うことができます。

合併した場合

電子商店を運営している2社が合併した場合、事前に新商品案内を送ると2社が利用目的を公表し同意をとっていた場合です。新商品案内を互いの顧客リストに送るのは利用目的の範囲内です。
利用目的の同意は必要なの?
ただし全然、業態の違う2社が合併した場合は注意が必要です。例えば学習塾と電子商店の会社が合併し、学習塾では事前に成績管理のために個人情報を利用をすると公表し同意をとっていたとします。

この場合、電子商店の新商品案内を学習塾の個人情報リストへ送るのは利用目的の範囲外です。利用目的の変更通知をまず行い、再度同意を得る手順が必要です。

ややこしいのが個人情報をグループ会社などで共有する場合です。この場合は個人情報を取得する際にあらかじめグループ会社で共有すると利用目的に掲載しておきます。共有するグループ会社の名前もあげておいた方がよいでしょう。

親会社、子会社間、グループ会社間、フランチャイズの本部と加盟店間で個人情報をやり取りする場合は、第三者への提供 とみなされますますので注意してください。

第三者への提供

個人情報を本人の同意を得ないで第三者へ提供することはできません。

第三者への提供が想定される場合は、事前に利用目的に記載しておきます。
・ご記入いただいた氏名、住所、電話番号は名簿として販売することがあります。
・弊社および弊社の子会社である○○社からの新商品案内に利用します。

ただし本人が容易に知りうる状態の場合は、第三者へ提供することができるという規定もあります。

本人が容易に知りうる状態というのは本人が知ろうとすれば、時間的にも、手段においても簡単に知りうることができる状態と説明されていますが、事業によってケースバイケースになります。基本的に本人へ通知し、同意をとっておく必要があります。

以下のような場合は第三者にあたらず、本人の同意を行うことなく情報提供できます。

個人情報取扱事業者が利用目的を達成するのに必要な範囲で個人情報を委託する場合
・データの打ち込みなどの委託
・百貨店が商品発送のための宅配業者に委託


いかがでしたか、利用目的は顧客からの同意を得るための手段ですので、しっかり記載しましょう。

実際プライバシーポリシーにどう記載するかはガイド記事合言葉は「個人情報を大切に!」を参照してください。

では、具体的にどう取り組んでいけばよいか見ていきましょう。
→ ガイド記事『個人データ取扱台帳を作る』
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