普段、何気なく言葉を使っていますが、IT導入の現場では、これが後々尾を引くことになります。自分が属する業界の常識を、皆が知っているものだと錯覚して仕様の確定を進めてしまうと、後で取り返しがつかなくなることがあります。それを防ぐためレビューが効果的です。

では、まず言葉の定義をしっかりしなかったために、後々大変となる事例を見てみましょう。


ITベンダー「この入力画面の項目にあるIDなのですが、特殊文字は使われますか?」

担当者「普通のアルファベットなどで、特殊な文字は使いません。」

ITベンダー「そうですか。それでは特殊文字はエラーで落とす仕様にしましょう。次の項目ですが……。

納入テストで

担当者「あれ、これ何でが入らないの?エラー表示になって入力されませんよ。」

ITベンダー「どれですか?IDの入力ですね。&のような特殊文字はエラーで入力できない仕様にしてあります。」

担当者「特殊文字って、&は普通の文字ですよ。キーボードにあるじゃないですか。」

ITベンダー「アルファベットや、数字以外の記号などは我々の業界では特殊文字と呼んでいます。ですので、仕様確定の際に確認させていただきましたが」

担当者「エー!そんな普通の文字が特殊文字だなんて!直してよ!」


次は立場が反対のケースを見てみましょう。

担当者「このシステムで作成していただきたいのは台帳の記入内容を変更する移記登録と所有者が変わる移転登録になります。」

ITベンダー「移記登録の画面で台帳の記入内容などを変更して、移転登録で所有者情報を変更するのですね?」

担当者「その通りです。」

納入テストで

担当者「あれ、これ何で移記と移転ができないの?」

ITベンダー「エッ、台帳の記入内容の変更は移記登録で、所有者情報の変更は移転登録で出来ますよ。」

担当者「じゃ、同時に記入内容の変更と所有者が変わる時はどうしたらよいの?」

ITベンダー「同時に変わることって、あるんですか?」

担当者「そんなん我々の業界では常識だよ。直してよ!」

ITベンダー「エー、今からですか?それにそれは仕様変更ですよ。」

いかがでしたか? では次にどうやってこういった仕様のミスを防げばよいのか考えてみましょう。