日本にTOC(Theory of Constraints=制約条件の理論)ブームを巻き起こした「ザ・ゴール」の第3作目が出ています。
本のタイトルは「チェンジ・ザ・ルール」です。
第1作目「ザ・ゴール」は機械メーカー「ユニコ社」の工場が舞台でした。
第2作目の「ザ・ゴール2 思考プロセス」は10年後の同じ機械メーカー「ユニコ社」で、今度は工場の外側の市場が物語の舞台となりました。
そして今回の第3作目の舞台はERPパッケージメーカー「BGソフト社」となり、まったく新しいお話になっています。
つまりERPパッケージという企業へのIT導入を生業としている企業が舞台です。このサイトの読者にはまさにぴったりな本です。
大企業、中堅企業向けの何億円もするERPパッケージがテーマになっていますが、中小企業向けのPC系ERPパッケージの導入時にも大なり小なり同じ問題が発生します。ぜひ参考にしてください。
さてこの本で言いたいことを、おおざっぱに言えば、
「あなたの会社のそのルールは本当に必要なの?」です。まず、簡単なあら筋から見てみましょう。
本のあら筋
年率40%という驚異的な成長を続けてきたBGソフト社だが、ERPパッケージの大企業への導入が一巡したことで、今後は大きな成長が見込めなくなってきた。 ある日、ある会社から、取締役会でERPパッケージ導入によって利益面でどう貢献するか教えてほしいという依頼があった。 今まで、利益面での貢献を考えていなかったので、調べるのは大変であったが、何とか期待に沿うものを作りあげた。この経験により顧客にはテクノロジーでは無く、バリューを売る必要があることに気付く。 またBGソフト社の顧客(中小企業)でERPパッケージを使って3年で3倍に成長した企業があることを聞きつけ、調査を行なう。 そこで学んだのは部分最適を目指さず、全体最適を考えて、必要であれば社内のルールを見直すことである。 これを機会にBGソフト社の戦略を大きく転換し、さらなる成長を目指す。 |
何気なく使っているERPパッケージですが、念のために用語の説明をしておきます。
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージ 統合業務システムを実現するパッケージ。販売、物流、会計、仕入、生産、人事などの基幹系業務を組織横断的に把握し、経営資源の最適化をはかるパッケージ。 |
つまり各システムがシームレスに連結されたシステムです。また全社データベースが整備され、リアルタイムで必要な情報を取り出すことができます。
例えば、ある営業所の売上データから、ずっとさかのぼって伝票データを見るようなことも出来ます。
さらに詳しくはこちらを参照ください。
→関連リンク: ERPシステムの導入
(参考)中小企業向けERPパッケージソフト
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さて、「チェンジ・ザ・ルール」をまだ、お読みになっていない方はこれを機会にぜひお読みください。
次ページではお読みになったという前提で、ルールを変えることの必要性などをご紹介します。
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前作の「ザ・ゴール2 思考プロセス」については「話題の本」のガイド記事に紹介されています。 → ザ・ゴール2 思考プロセス |