企業のIT活用/情報共有/メール/SNS

グループウェア導入には社内情報の共有(2ページ目)

情報の共有化を進めるために、いきなりグループウェアを導入しても活用されません。まずは情報の共有化ができる風土作りから始めましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド


情報共有ができていない!

後日、相談企業を訪問して営業課長さんや何人かの営業マンにお話を伺いました。

そこで判明したことは、以前は顧客訪問計画を営業課長が立案していたようですが、今は大得意先などを口頭で指示するぐらいで、基本的に営業マンがその日に立案して顧客を回っているそうです。

また営業日報がありますが、出す営業マンもいれば、出さない営業マンもいるそうです。出された報告書が営業マンにフィードバックされることもほとんど無いようで、また出さなくてもペナルティはありません。

ヒアリングが終わった時点で

「社長さん、営業の動きを見ていますと、独立独歩で営業マンが活動されているようですね。ただ情報の共有化などは全然出来ていないようです」

「そうです。それでグループウェアを導入して、情報の共有化を進めようと、ご相談に」

「社長さん、グループウェアというのは情報の共有化をサポートするツールにすぎません。導入したからと言って、情報の共有化を進めるものではありません」

「まず、アナログの世界で情報の共有化ができる仕組を導入し、根付かせます。その次の段階で作業を効率化するためにグループウェアを導入します。つまり、情報の共有化を行う風土が無ければデジタルのシステムをいくら導入しても無駄になるだけです」


「それで先日、営業日報などの質問をされていたわけですね」

「そうです。では情報の共有化を進める方策を考えてみましょう」

と言うわけで、まず基本的にPDCAサイクルが回るように、営業の仕事の流れの見直しから始めました。

PDCAが回る組織へ

まずはPlan(計画)がきちんと立案されるようにしました。月に1回、営業課長が営業マン一人一人と営業ミーティングを行い、月間目標を決定します。営業マンは目標に従い、週単位で訪問予定、件数を決めるようにしました。

また四半期毎に全社員を集め、社長から会社の方針や会社が現在、置かれている状況などを決算の数字などで分かりやすく説明する四半期報告会の実施を始めました。

日々、営業マンは営業日報を提出し、営業課長がチェック、コメントをして、営業マンに戻す仕組みに変更しました。日報の上には回覧欄をもうけ、内容に応じて、他部門や社長などに情報が流れるように改善しています。

C(チェック)として、モニタリングする指標を決めました。顧客訪問件数、顧客成約率、日報返却時間、日報作成件数などです。また指標を賞与などの査定と連動させることにしました。

インフラ整備へ

「社長さん、組織運営の仕組みは導入できましたので、後は根付くように、しっかりフォローしていきましょう。また、いきなりグループウェアの導入は無理なので、まずは社内LANを整備するところから始めましょう」

「サーバーなどは設置していますが」

「端末が営業マンを含め、全員には導入されていないようですので、まずその導入を行ってください。また全員に電子メールが配布されていないので、ぜひ配布して下さい」

「まずは、教育をしっかり行って、電子メールにより皆が情報のやり取りをする風土を作ってください。営業日報をメールで置き換えてもらってもけっこうです」

「分かりました」

情報の共有化(グループウェア導入)

1.PDCAが回る仕事の流れに
2.社内LANの整備 → メールによる活用から




→ No2  「電子メールを活用する職場作り」へ




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